・音をもっと派手にしたい
・音のクオリティを上げたい
DTMerなら避けて通れない問題を解消するために、今回は、音作りからミックスまで必須と言われるコンプレッサー、中でも音作りで大活躍してくれるWAVES V-Compについて徹底解説します!
WAVES V-Compとは?
WAVES社からリリースされたV-Compは、NEVE2254というビンテージコンプレッサーをモデルに作られており、プリセットが非常に強力である点が強みと言えます。
プリセットは中央上部の【Fullreset】と書かれているタブから呼び出しが可能です。初心者のうちは耳で音の良し悪しが分からなかったり調整に時間が掛かってしまうことも多いので、ボーカル用、ドラム用、ベース用、など、予め用意された設定を適用するだけで、お手軽に音のクオリティを高めることが出来ます。また、自身の勉強用に洗練されたプリセットの設定値を確認すると、より効率的にスキルアップできるかもしれません。
それでは各パラメーターや機能を見ていきましょう!
WAVES V-Compの使い方
ご覧の通りV-Compは一般的なコンプレッサーと比べてツマミの数が多く、コンプレッサーの機能とリミッターの機能でセクションが独立している為、個別に細かく調整する事が出来ます。
それぞれこちらのスイッチをオンにする事で機能を有効化出来ます。コンプレッサーのみデフォルトでオンになっています。
コンプレッサーセクション
適用するコンプレッサーを細かく調整できます。ただ、一般的なコンプレッサーと使い方は同じですが、V-Compはスレッショルドとアタックタイムが固定されています。
※スレッショルド…圧縮を行う基準の音量値
※アタックタイム…圧縮を行うまでの時間
INPUT
スレッショルドとアタックタイムのツマミはどちらも存在しませんが、スレッショルドに関しては左上のINPUTのレベルを上げる事で擬似的に圧縮する値を決めることが出来ます。右に回す程より圧縮量が増加します。設定によっては音量もかなり上がってしまうので音割れに注意しながら値を決めましょう。
RATIO
音を圧縮する比率を定める値です。
1.5:1 / 2:1 / 3:1 / 4:1 / 6:1
の計4つの比率を選択できます。右に回す程、圧縮量が増加します。
RELEASE
圧縮している音がスレッショルド値を下回った場合に、圧縮を終了するまでの時間を定めます。リリースタイムを長く取るほど圧縮が継続しますが、次の音の干渉してアタック感を損なうケースもあるので、注意が必要です。AUTOを選択することで入力音から自動で最適なリリースタイムを設定してくれるので、慣れないうちはAUTOにしておくといいでしょう。
DeESSER
歯擦音など高音域の耳障りな部分を圧縮する機能です。主にボーカルトラックにインサートする時など、有効にしておくといいでしょう。あまり細かく調整は出来ないので、ディエッサー機能だけを目的としてインサートするのはオススメしません。
リミッターセクション
こちらのセクションでは、音量の最大レベルを設定し、音割れを防ぐ事が出来ます。コンプレッサーとの違いが分からない方のために簡単に説明すると、コンプレッサーをよりシビアにして、設定を超過した音がきっちりとカットされるようなイメージです。また、コンプレッサーの様に小さい音が相対的に目立つような効果も少なく、あくまでピークを抑える目的として使用します。
ATTACK
リミッターのアタックタイムの設定が出来ます。
FAST…1/1000000秒
SLOW…1/1000秒
コンプを有効化している場合が殆どですので、基本的にピークカットの用にFASTが好ましいです。
RELEASE
リミッターのリリースタイムの設定が出来ます。コンプが有効化している場合や、特にこだわりがない場合はAUTOで良いでしょう。
マスターセクション
こちらはV-Comp全体に影響を与えるセクションです。
METER
中央のメーター表示の切り替えが出来ます。
IN…インプット=入力音
GR…ゲインリダクション=圧縮量
OUT…アウトプット=出力音
デフォルトはGRとなっており、左に振れる(マイナスの値)ほど音が圧縮されています。
ANALOG
モデル機材であるNEVEのノイズ量を調整できます。OFF・25%・50%・100%の4つからミックス量を設定します。
OUTPUT
出力音を設定出来ます。コンプレッサーで音量または音量感に変化があると思われますので音割れしない程度にブーストしましょう。
トラブルシューティング
- 再生時・無音時問わずDAW全体にノイズが生じる。
V-CompのANALOGのツマミが有効になっているかもしれません。複数のトラックにV-CompをインサートしANALOGを有効にすると、その分ノイズも大きくなります。自分で設定した覚えはなくとも、プリセットの選択時にANALOGが有効化されてしまうことがあるので、プリセットを活用する際は確認しましょう。ノイズが気になる場合はANALOGのツマミを左に回してノイズミックス量を調整するか、ノイズゲートプラグインをV-Compの下の段にインサートして対応しましょう。
まとめ
WAVES V-Compはプリセットが豊富で、AUTO機能が充実しており、初心者DTMerにとっては即戦力になること間違いありません。音のクオリティを高めたいと考えている方は是非ご活用ください!