楽曲分析を通して発見する名曲の秘訣

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楽曲分析=音楽を感じること

作曲をするためには「音楽の作り方」について学ぶ必要があります。「音楽の作り方」には様々な方法がありますし、同時に様々なことを考えなければいけません。例えば、「どのようなメロディが歌いやすいのか?」、「どのようにハーモニーを付けるのがベストなのか?」というように、音楽を作る際に考えることはたくさんあります。

では、「音楽の作り方」とはどのように学ぶことができるのでしょうか? 本を探してみると、作曲の導入のための様々な本が見つかります。「ゼロから始める作曲」、「初心者のための作曲術」、「誰でも音楽が作れる本」などなど、多くのいろいろな本がありますね。これらの本はとても効率的に作曲法を学ぶことができる有意義なものです。

しかし、実際に作曲をするためには、作曲の本で理論を吸収するだけでは物足りないのです。加えて重要なことは、自分にとってよい曲、自分の好きな曲を分析することです。「分析」というとなんだか学問的で堅苦しい印象を受けてしまいますが、それは音楽を感じて、深く知ることです。音楽について考えて深く知るためには、まずは音楽を感じることが大事なのです。

私自身も学生時代に楽曲分析の先生からよく言われたことですが、「音楽を分析するときには、その音楽について考えるのではなく、まずはその音楽を感じること」が重要です。「この音楽の和声的な特徴は何か?」、「このメロディのオリジナリティは何か?」というような難しいことを最初から考えながら音楽に接するのではなく、自由な気持ちで聴いて、そこから本能的に感じた印象がなぜそのように感じさせたのか考えることが大事です。それこそ本当の意味での「音楽を分析する」ということでもあります。そう考えてみると少し自由な気持ちになりますね。

さて、そのように音楽を分析することを「アナリーゼ」と言います。「アナリーゼ」という言葉は、音楽以外の分野ではなかなか耳にすることがないように思えますが、ビジネスや経済の世界でも「アナライズ」や「アナリスト」という用語が使われることがありますね。それらと同じ意味だったり、同じ用語から派生した言葉がアナリーゼです。ちなみに、アナライズとアナリストという言葉は英語ですが、アナリーゼの方はドイツ語です。ドイツ語で書くと「Die Analyse」。ドイツ語の用語を使用するところもなんだか「音楽っぽい」感じがしますね。

楽曲分析を通して発見できるよい音楽の「秘訣」とは??

それでは、曲を分析することによって具体的に一体何を知ることができるのでしょうか? それは「よい音楽の特徴」です。例えば、音楽のチャートの上位に上ってくるような「売れる」音楽を分析することによって、

「なぜその音楽が売れているのか」
「多くの人々はその音楽のどこに魅力を感じているのか」


……というような、その音楽の売れている秘密に迫ることができます。

そもそも楽曲分析(アナリーゼ)の手法は、いわゆる「クラシック音楽」の世界で発展したものです。クラシック音楽の作曲家たちは良い音楽を作るために、過去の名曲をアナリーゼすることによって、よい音楽を作るための「秘訣」を研究しました。

そして、先ほども述べたように、アナリーゼをするということは音楽を感じること。それはつまり、音楽を体験することでもあります。音楽体験の多くの積み重ねは自分自身の創作にも生かされます。かつてスペインの画家パブロ・ピカソは「優秀な芸術家は模倣をし、偉大な芸術家は盗む」と言ったそうですが、盗むことはともかく、作曲の初心者にとって模倣する、真似をするということは非常に重要です。アナリーゼによって見つけた名曲の秘訣を自分自身で繰り返し模倣することによって、次第にそれは自分のオリジナリティの一部になっていくのです。

楽曲分析で大切なポイント

まず、アナリーゼを通して分析することは大きく分けて4つあります。それは「メロディ」と「ハーモニー」、「リズム」、そして「形式」です。この4つのうち、ポップスの分析ではメロディとハーモニー、リズムに注目すると良いでしょう。もちろん形式も重要ですが、メロディとハーモニー、リズムは音楽の三大要素と言われるほど重要なものです。なので、まずはこの3つの要素に注目してみましょう。

また、ある音楽を分析する際には、何か別の音楽も比較例として考えてみると良いでしょう。一つの音楽からその音楽の特徴やオリジナリティを探し出すよりも、何か別の音楽と比較をしながらアナリーゼをする方がより効率的でもありますし、効果的でもあります。

例えば、現在チャートの上位に上ってくる音楽と昔のポップスの名曲を比較してみたときに、

・どのような点が共通しているのか
・どのような点で違いを見出すことができるのか

というような視点で音楽を分析することは有意義なことです。

あいみょんの楽曲とaikoの楽曲を比較したときに、似ている部分と違っている部分が見えてくると思いますし、YOASOBIとPerfumeを比較してみるとまた違ったことに気がつくかもしれません。そこから気がつく共通点は、現在のチャートの上位にあるような音楽に見出すことができる、過去の音楽やアーティストからの音楽的な影響かもしれません。逆に全く共通していない異なる点、それはその音楽やアーティストのオリジナルな部分だと言えます。そして、そのオリジナルな部分にこそ、売れている秘密が隠されているのかもしれません。

まとめ

 今回は、

・そもそも楽曲分析(アナリーゼ)とは何なのか
・曲を分析することによって得られることは何か
・曲を分析する際に注目すべきこと

について紹介しました。

音楽を分析することをアナリーゼと言いますが、それは堅い学問的なものではなく、音楽を本能的に感じることです。そしてアナリーゼを通して得られた音楽体験が積み重なり、それを模倣することによって、それは自分自身の創作力、オリジナリティの一部となっていきます。

そして、曲を分析する際に注目すべきポイントは「メロディ」と「ハーモニー」、「リズム」といった音楽の三大要素。より効果的な楽曲分析をするために、比較例として別の音楽作品も分析してみるということも重要でしたね。そうすることによってその音楽のオリジナリティも発見でき、そのオリジナリティはその音楽の魅力の秘訣だと考えられるのでした。

それでは次回は楽曲分析の具体的な方法を紹介して、実際に簡単な曲を分析してみたいと思います。今後の連載の中で、あいみょん、米津玄師、Official髭男dism、YOASOBIといった今話題のアーティストの楽曲分析も行いますので、ご期待ください!

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