【はじめての楽典】第10章 音程②

【はじめての楽典】第9回は、音程の基礎的な造りについてお話ししました。

今回はそれを踏まえて、さらに細かい音程の数え方の説明です。丸覚えの内容で大変かもしれませんが、大切な踏ん張りどころです。頑張りましょう!

音程の数え方

音程は「度」で表すこと、完全系長短系があることは既に述べました。下の図を用い、さらに詳しくご説明します。

左から右に向って、同じ度数でも実際に響く音の間隔は広がってきます。例えば、重減3度と重増3度だと、前者は半音1個の間隔なのに、後者は半音6個分もあるのです。

「減」は、完全○度や短○度がそれぞれ変化記号を付けることなどで半音狭くなる音程、「重減」は、減からさらに変化記号で半音狭くなった音程です。

「増」は逆に変化記号などで半音広く、「重増」は増よりさらに半音広い音程です。

ただし長短系「短」が半音広がると「長」となり、そこから「増」にいくというステップを踏みます。少し面倒ですね。

さて、記譜的にはダブルシャープやダブルフラットを使い、重減より狭い、または重増より広い音程を作ることも可能ですが、実際にそのような音程が出てくる曲は理論的にありえないので、数え方を覚える必要はありません。

幹音でできた音程を覚えよう

幹音(#や♭の付かない音)でできた各音程さえ頭にしっかり入っていれば、派生音付きの音程は上の図を当てはめて数えられます。丸覚えと言っても、少し面倒なのは3度と6度くらいです。

ここで役立つのがピアノの鍵盤図です。ピアノは白鍵が幹音黒鍵は派生音で、隣り合う鍵盤(ドから順に白鍵→黒鍵→白鍵……)はそれぞれ半音の関係です。

ミとファ、シとドの間には黒鍵がなく、白鍵同士が半音の関係となっています。

以上を踏まえて、幹音の音程をご説明します。まずは完全系から。


1度

幹音同士の1度は全て完全1度です。


8度

8度も幹音同士であれば全て完全8度です。


4度

4度は、ファとシ間以外、全て完全4度です。ファとシの音程だけが増4度です。

何故かというと、鍵盤図を見れば分かるように、ファとシの間には隣り合った白鍵同士が半音の関係になっているところがないからです。

他の4度には、必ず1か所白鍵が続いている部分が含まれています。つまり他の4度よりも半音分広くなっているのですね。


5度

5度は、シとファ間以外、全て完全5度です。シとファの音程減5度です。

先ほどの4度の場合と逆に、シとファの間には白鍵が隣り合っている部分が2か所あります(鍵盤図は1オクターブ分しかありませんが、一番左側にシの鍵盤を足してみて下さい)。

他の5度より半音分狭くなっているので「減」となるのです。いかがでしょう。完全系は丸覚えしやすいですね。


次は長短系です。

2度

ミとファ、シとドの間短2度、それ以外は長2度です。

そろそろ仕組みが分かってきたかもしれません。そう、短2度とされた音程の音は白鍵同士が隣り合っている、すなわち半音の関係にあります。

それ以外の音程は全て間に黒鍵が1つ挟まっています。そこが「短」「長」の違いです。


7度

ドとシ、ファとミ長7度、それ以外が短7度です。

長7度の音の間には半音関係の白鍵が1か所のみ、短7度の音程では2か所含まれています。その分、長7度の方が短7度より半音広いのです。

2度は頭の中に鍵盤を思い浮かべると長か短かを判断しやすいですね。7度は間隔が広いので、どれが長7度かを覚えてしまいましょう。


3度

ドミ、ファラ、ソシ長3度レファ、ミソ、ラド、シレ短3度です。

長3度は音程間に白鍵同士の半音が含まれていないので、1か所含まれている短3度より半音広くなります。


6度

ドラ、レシ、ファレ、ソミ長6度ミド、ラファ、シソ短6度です。

短6度は、音程間に白鍵同士の半音が2か所含まれているので、1か所だけの長6度より半音狭くなります。


3度は、2音間に半音が3つ入っていれば半音2つならと覚えておくと良いですね。

6度は、2音間に半音7つ半音8つです。

3度はまだしも6度だと、数えている間に間違えてしまうかも、と思う方もいるでしょう。そういう時に役立つかもしれないのが、次の「転回音程」です。

転回音程

転回音程とは、文字通り、ある音程を「転回」させてできる音程のことです。

例えばドとソは5度ですが、下にあるドを転回させてソの上に持ってくる4度になります。これが転回音程の仕組みです。

さらに

となります。例えば「減5度」の転回音程は「増4度」、「長6度」の転回音程は「短3度」となります。

つまり、6度については、転回音程の3度にしてみてかを数え、6度に戻す時に長と短を逆にするという方法を取ることができます。

ドラを転回してラドにすると、2音間に半音が2つ入るので「短3度」、再転回して「長6度」です。

どのような方法でも構いませんが、幹音での2音間の音程は、必ず間違えずに数えられるようにしておきましょう。

まとめ

幹音音程を理解することは、音程の基礎であると同時に、音楽の響きの仕組みの基礎でもあります。

譜面だけでなく、実際に各音程の音を聴いてみましょう。たとえば完全4度と増4度の違いは、聴いてみると明らかなはずです。聴覚からも覚えていきましょう。