【はじめての楽典】第11章 音程③&音階①

【はじめての楽典】第10回は、音程の数え方についてお伝えしました。

今回は応用編ともいえる派生音の音程です。しっかり考え方が頭に入ったら、そのまま次の「音階」へと進みましょう。

目次

派生音の音程の数え方

幹音同士でできる音程を覚えているでしょうか。その音に変化記号が付いた場合を考えていきます。

前回示した音程の構成図を見てみましょう。

音程を作る2音のうち、高い方の音が♯で半音上がれば音程が半音分広がるので一つ右側、♭で半音下がれば一つ左側に示された音程になります。

2音のうち低い方の音が♯だと一つ左、♭だと一つ右です。実際の音程で確かめてみましょう。

完全系

幹音同士で完全5度の場合、上が♭で半音狭まれば減5度、逆に♯で半音広がれば増5度です。

上も下も半音ずつ広がると重増5度、逆に両音が半音ずつ狭まれば重減5度です。

長短系

幹音同士で短3度の音程は、変化記号を付けて半音広がれば長3度に、半音2つ分広がれば増3度になります。

短⇔長の変化が加わる分、完全系より1段階数え方が増えるところに注意が必要です。

以上のように考えていけば、どのような音程でも数えられます。繰り返しになりますが、幹音における音程をしっかりと覚えることが非常に大切です。

複音程

複音程については、以前に一度軽く触れました。8度(1オクターブ)以下の音程が単音程、9度以上の音程を複音程といいます。

9度、10度は良く出てきますが、11度、12度になると出てくる頻度は少なくなり、13度以上はまず使いません。

11度を超えると「1オクターブと○度」と言った方が分かりやすいからです。

派生音が付いたときの数え方も、単音程の時と変わりません。複音程とはどのようなものかだけを理解しておけば十分です。

ちなみに、このように数えていくと、2オクターブは完全15度になります。16度にはなりません。

音程の解説は以上です。続けて音階に入ります。

音階①

音階とは、音を高さの順にだんだん高く、あるいは低く並べたものです。音楽に使われる音階は、一定の基準に沿って並んでいます。

音階の中でもっともよく知られ、使われているのが長音階短音階なので、この2種類の音階についてしっかり理解しましょう。

長音階とは

長音階は、一般的に1オクターブの音を順番に並べた音階、すなわち「ドレミファソラシド」がその代表格です。

幹音だけでできているこの長音階は、ハ調の長音階です(ドイツ語でCdur)。

2度ずつ上がっていきますが、長2度、長2度、短2度間隔の4つの音の繋がりが2回繰り返されています。2つの繋がりの間は長2度です。

スラーのついているところが短2度(半音)の部分です。長音階はこのように、長、長、短の間隔を持つ4音を、長2度の間隔をおいて2つ並べると、どの音から始めても作ることができます。たとえば、

レの音から始めた場合、3つ目の音であるファに♯をつけることで長2度になりますし、自動的に3音目と4音目の間隔が短2度になります。第7音目と8音目も同様ですね。

このように♯を2つ付けることで、レから始まるニ調の長音階ができました。もちろん最初の音が派生音であったとしても、同じように考えていけばいいのです。

ミ♭(es)から長音階を作ると上のようになります。他にラとシに♭を付けることで変ホ調の長音階ができました。

長音階を作る時に♯と♭が混合で出てくることはありません。どちらかの変化記号のみで作られます。

さて、「そもそもなぜ長音階というの?なぜこのような音の並びと決まっているの?」という根本的な疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、深く掘り下げると、大昔の旋法音階の基となるもの)の話まで遡らなければなりません。

ですからひとまず、古代ギリシャの時代からさまざまな旋法があり、その中にあるテトラコード(4つの音の意)という音列のうち、長音階で出てきた長・長・短という音列2つの流れが、おそらく響きの収まりの良さなどの理由で残った、と考えて下さい。

音階各音の名前

音階を構成する7つの音には、それぞれ名前と役割があります。重要な名前もあれば、それほどでもないものもあります。重要なものから並べます。

なお、クラシックで音を数える時は、一般的にローマ数字(「第V音」など)を用いますが、ここでの説明には算用数字を用いています。

主音
音階の最初の音(締めくくりの音でもあります)なので、当然最重要の音です。たいていの曲は終わる時、安定感を出すために一番ベースとなる音に主音を用います。

属音
主音より完全5度上の音です。主音を主音たらしめる音と言われていますが、その力はこれから学ぶ調や和音の時により発揮されます。

下属音
主音より完全5度下の音です。やはり調、和音において重要な役割を持ちます。

導音
音階の第7音、主音の前の音で、その名のとおり主音を導く音です。導音と主音は短2度でなければなりませんが、詳しくは短音階の章で説明します。

中音
音階の第3音です。

下中音
音階の第6音です。主音より3度下なので「下」中音です。

上主音
第2音、主音の2度上の音です。

まとめ

まずは長音階の作りをしっかり把握しましょう。次回は短音階が出てきますが、長音階と較べるとやや複雑です。

音程から始まり音階調和音は非常に密接に繋がっています。難しいですが、関連付けがちゃんとできれば理解できるはずです。頑張りましょう!

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