ProcreateとiPadでLINEスタンプを作る方法【STEP1】では、子どもの絵を使ってLINEスタンプにする作業の流れと下準備についてご説明しました。今回は、ProcreateとiPadを使って、スタンプ用の画像の制作を始めます。

原画の準備ができたら、さっそくLINEスタンプ用の画像を作りましょう。ここからは、タブレットはiPad、イラスト制作アプリはProcreateを使った説明となります。
STEP2 ですることは、大きく3つです。
- Procreateでスタンプを作る準備する
- Procreateでスタンプ画像を作る
- LINEスタンプ用に調整して書き出す
Procreateでスタンプを作る準備する
キャンバスを作る
Procreateでスタンプ用の画像を作成します。LINEスタンプに必要なイラストのサイズは3種類あります。
- メイン画像 240px × 240px
- トークルームタブ画像 横96px × 縦74px
- スタンプ画像 (最大)横370px × 縦320px

このうち、まずはスタンプ画像を作り、それをもとにメイン画像、トークルームタブ画像を作ります。
LINEスタンプのスタンプ画像サイズは最大で横370px × 縦320pxですが、このサイズでイラストを描こうとすると画質が荒くなって描きにくいので(試しにやってみるとよくわかります)、大きなサイズで作ってからスタンプサイズに合わせるという方法を取ります。
今回は横370px × 縦320pxのスタンプを目指し、その4倍サイズの横1480px × 縦1280pxで作ります。
Procreateのアプリを開きます。

最初から綺麗な作品がいくつか入っています。右上の①「+」をタップして、②のサイズ指定アイコンをタップします。

①幅と高さを入力します。
DPIはデフォルトの350で良いでしょう。最大のレイヤー数は画像サイズによって決まります。こんなにたくさん使わないので、気にせず進みます。
②「作成」をタップすると、新しいキャンバスが開きます。
ブラシを準備する
絵を描くためのブラシを準備します。

右上の①ブラシアイコンから、ブラシを選ぶことができます。
スタンプ作りにおすすめなのは②「カリグラフィ」の中の③「モノライン」です。ブラシの設定を自分好みに変えることもでき、その場合は、設定を変えたいブラシを複製してから編集すると良いです。

ブラシの部分を左にスワイプし、

「複製」をタップすると、

ブラシが複製できました。複製したブラシをタップします。

ここで設定を変えることができます。
ひとつ例を紹介すると、「パスの境界線を描く」にある「ジッター」のスライダーを右に動かすと、線の輪郭がポコポコとした形になって手描き風になります。
今回は、子どもの鉛筆画の雰囲気を残したかったので「ドライインク」を使ってみました。

①ブラシアイコン→②「インキング」→③「ドライインク」とタップし、

少し設定を変えたい部分があるので複製しておきます。

複製したブラシを選択します。
デフォルトだと、Apple Pencilの筆圧によって線の太さが変わります。それも味があって良いのですが、今回は筆圧によらず一定の太さで描けるように設定します。

①「Apple Pencil」をタップし、「筆圧」を0%にすれば、太さが一定になります。
ブラシの調整ができたら、ブラシの色を決めます。

画面右上の①丸印をタップすると、色を選ぶことができます。
この画面のように「ディスク」で選ぶ場合は、ディスク内の2つのカーソルをそれぞれ動かせば色を変えることができます。
下の一覧には他の選び方もあるので、いろいろ試してみてください。
ブラシの太さは、左側上部のスライダーで調整できます。
スタンプ画像を作る①原画を取り込んでトレースする
余白を確認する
LINEスタンプの制作ガイドラインにある通り、スタンプ画像には余白が必要です。

キャンバスにも、わかりやすいように枠線を描きました。

キャンバスの大きさギリギリに描いても、後で縮小することもできるので大丈夫です。
ただ、後で拡大・縮小すると線の太さが変わってしまい、思った仕上がりにならないかもしれないので、だいたいこのサイズに合わせて描く方が良いでしょう。
原画を挿入する
あらかじめタブレットに取り込んでおいた原画を、Procreateのキャンバスに挿入します。

アプリ画面上のメニューの①設定のアイコン→②「追加」→③「写真を挿入」とタップして、タブレット内にある原画を呼び出します。
原画を調整する

取り込んだ画像を、キャンバスに合わせて調整します。
画像が選択状態になっており、青・緑・黄色の小さな丸印をタップしたまま動かすことでサイズ変更や回転ができます。画面下メニューから反転することもできます。

文字を入れる余白を意識しつつ、画像を枠に合わせて拡大しました。また、送られた側が見やすいように、反転して右向きにしてみました。
位置や大きさは後で微調整できるので、ここではざっくりとした調整で大丈夫です。

原画をなぞりやすいようにしておきます。
画面右上の①レイヤーアイコン→②「N」とタップし、③不透明度のスライダーを調整して、原画を薄くします。
原画をトレースする

レイヤーの右上の「+」をタップして、新しいレイヤーを追加します。青色表示になっているのが、選択されているレイヤーです。
新しく追加したレイヤーを選択しておきます。

右上メニュー内のブラシアイコンをタップすると、青くなって選択状態になります。
ブラシの準備ができたら、原画をなぞりましょう。ちなみに修正時は、画面上部の消しゴムアイコンをタップするか、ひとつ前に戻るなら二本指で画面をタップします。
いくつかのレイヤーを重ね合わせて1枚の絵にするので、ここでは基本的な輪郭線のみにしておくと良いでしょう。今回は表情を変えてバリエーションを増やす予定なので、目の部分はここでは描きませんでした。
スタンプ画像を作る②枠線の内側に色を塗りつぶす
「基準」の設定

先ほど描いた枠線に合わせて色塗りをするためには、ちょっとした工夫が必要です。
輪郭を描いたレイヤーをタップして、「基準」をタップします。こうすることで、この上にあるレイヤーで、枠線の中だけを綺麗に塗りつぶすことができるのです。
原画のあるレイヤーは、チェックをはずして非表示にしておきます。
色を塗る
絵を塗るレイヤーも分けます。レイヤーの「+」をタップして追加しておきましょう。

新しいレイヤーが「基準」のレイヤーの上にある状態で、レイヤーを選択します。レイヤーの位置を移動するには、レイヤー部分を長押ししてから上下に動かします。
右上の丸印で色を選んだら、その部分から色を塗りたい部分へドラッグ&ドロップします。そうすると、基準にしたレイヤーで描いた線で囲まれた部分を塗りつぶすことができます。

体と耳を塗りつぶしました。レイヤーを見ても、線のない部分が塗りつぶされているのがわかりますね。
パーツを描いて絵を完成させる
レイヤーを追加して、各パーツを描いていきます。

レイヤー同士を結合させることは簡単にできるので、個別に編集する可能性がある部分は、レイヤーを分けておくと便利です。
これでイラスト部分が出来上がりました。
スタンプ画像を作る③文字を入れる
テキストの追加
続いて、テキストを追加します。
手書きの場合は、絵を描くのと同様にレイヤーを追加して作成してください。ここでは、テキスト入力機能を使う方法をご紹介します。

画面左上の①設定アイコンをタップし、②「追加」→③「テキストを追加」とタップします。

テキストを入力します。
テキストの設定

入力したら、①テキスト全体を選択します。設定画面が表示されるので、②フォント部分をタップします。

①フォントの設定をします。フォントの種類やサイズなどを選び、②完了をタップします。
Procreateは日本語のフォントの種類が少ないので、好みのものが見つからないかもしれません。その場合はインターネットでフリーフォントをダウンロードして、右上の「フォントを読み込む」から取り込むこともできます。
LINEスタンプとして販売することを許可していないものもあるため、利用規約をよく読んだ上で使用するようにしましょう。
文字の色は、文字を選択した状態で右上の丸印をタップして変更することができます。

バランスを整える
テキストが完成したら、全体のバランスを整えます。

イラスト部分をまとめて移動、サイズ変更したいので、ひとつのグループにまとめます。
レイヤーを開き、①まとめたいレイヤーを右にスワイプして選択し、②「グループ化」をタップします。

イラストのレイヤーがグループ化されました。グループを選択しておきます。

画面左上のメニューの①矢印のアイコンをタップします。
イラストが自動的に選択されているので、ドラッグで位置を変更したり、青や緑の丸印でサイズ変更や回転をしたりして、バランスよく配置します。
テキストの位置も同様に整えます。
スタンプ画像を作る④ふち取りして見やすくする
ふち取りのもとを作る
これで完成したように見えますが、LINEでは暗い色の背景を使っている人もいますね。その画面で表示すると、イラストや、特に文字の部分が見にくくなってしまいます。
そのため、白でふち取りをしておきます。
テキストのふち取りをしてみましょう。テキストのレイヤーを選択します。

わかりやすく、背景色をグレーにして表示しています。
画面左上のメニューの①選択アイコンをタップします。②「追加」③「自動」が選択された状態で、文字部分をひとつずつタップしていきます。
選択されると色が変わります(もとの色によって、選択後の色がこの画像と異なる場合があります)。

①「フェザー」をタップして、②スライダーで強度をあげます。輪郭がぼやけ、この部分がふち取りのもとになります。5%程度で良いかと思います。

①レイヤーのアイコン→②「+」をタップして、テキストの下にレイヤーを追加します。そのレイヤーを選択した状態で、

ふち取り用に色は白を選択し、そこから、先ほど選択した部分へドラッグ&ドロップします。そうするとこの画像のように、テキストの輪郭にぼやけた白が着色されます。
くっきりとしたふち取りを作る
白く着色したレイヤーのままで、再び①選択アイコンをタップ、②「追加」③「自動」が選択された状態で、ふち取り部分を選択します。

青く表示されたところがふち取りになります。この幅を調節するには、ふち取り部分を選択するとき、タップしたまま左右に動かします。
選択できたら、

再びテキストの下にレイヤーを追加します。そのレイヤーを選択した状態で、

ふち取り用の白のまま、選択部分にドラッグ&ドロップします。すると画像のように、くっきりとしたふち取りが出来上がります。
ふち取りの幅は好みで調整してください。狭くした場合は、

選択時をこのようにすると、

ふち取り完了時、このような感じになります。イラストもふち取りする場合は、同様の方法で行います。
ここまで完了したら、

背景色のレイヤーのチェックをはずして、背景を透過にしておきましょう。1枚目の画像の完成です。
STEP2 前編 のまとめ
ProcreateとiPadでLINEスタンプを作る方法【STEP2(前編)】では、ProcreateとiPadを使って、スタンプ用の画像の制作を始めました。
スタンプ用の画像を作って文字を入れ、見やすいようにふち取りするところまでできましたね。
次回は、今回作った絵をもとにバリエーションを増やし、他に必要となるメイン画像、トークルームタブ画像を作ります。
