ジャマイカで生まれ、スカとロックステディから発展したレゲエの1ジャンルである、ルーツロックレゲエ。
不安の中にあったジャマイカの人々の心を救い、世界的にも大ブームとなったルーツロックレゲエの魅力をご紹介します。
ルーツロックレゲエとは?
Bob Marley(ボブ・マーリー:ジャマイカのレゲエミュージシャン)で知られるルーツロックレゲエは、中米に位置するジャマイカで、1960年代に生まれました。
アメリカのブラックミュージックやアフリカンミュージックなどに影響を受け、同国ですでに人気のあったスカやロックステディという音楽にミックスさせたのが始まりです。
1970年代に地元ジャマイカで最盛期を迎え、1980年代には小さな島国で生まれたルーツロックレゲエが世界的に一大ブームとなり、現在に至るまで多くのファンを魅了し続けています。
ルーツロックレゲエの特徴
ルーツロックレゲエの定義は、裏打ちのリズムに生バンドによる演奏、ジャンベなどの打楽器でアクセントを加えたものです。
またメッセージ性の強い歌詞を付けることも特徴です。
国の情勢が不安定で貧困問題を抱えるジャマイカの人たちにとって、自分たちの気持ちを代弁してくれているルーツロックレゲエが大きな救いになりました。
またレゲエやジャマイカと聞いて思い浮かべるのが、ドレッドヘアーに赤黄緑のラスタカラーを身につけている人々です。
これはラスタファリズムという黒人のアフリカ帰還を掲げる宗教で、ルーツロックレゲエの音楽の中に思想や教えが込められています。
まずはここから!ルーツロックレゲエ伝説アーティスト
レゲエと言えば伝説・Bob Marley。曲は詳しく知らなくても、誰しもが耳にしたことがあるはずです。
1984年に発売されたベスト盤『Legend』は全世界で2700万枚を超える大ヒットを記録しています。
黒人と白人との間に生まれながらスラム街で育ち、10代前半で音楽活動を開始、20代でラスタの教えを受けます。
ハスキーな歌声に、誰が聞いても共感できるピースフルな歌詞が魅力で、1970年代には一流アーティストに登り詰めます。
また、当時のジャマイカで敵対し合う2つの政党の党首を和解させるなど、そのカリスマ性は音楽活動を超え、一つの国の政治を動かすほどの力がありました。
若干36歳で亡くなるも、彼の音楽は今なお生き続けています。
代表曲として『No Women No Cry』や『One love』などがあります。
またBob Marleyのバックバンド『The Wailers』の一員として活躍したPeter Tosh(ピーター・トッシュ:ジャマイカのレゲエミュージシャン)もルーツロックレゲエを語る上で欠かせない人物です。
1960年代にBob Marleyと出会い音楽活動を始め、Bobにギターを教えたのもPeter Toshと言われています。
1970年代にソロに転向し、平和を唱えるBob Marleyとは異なり、社会の不公平さや不満を攻撃的な歌詞で伝えています。
代表曲は『Legalize It』や『I AM THAT I AM』などです。
今が旬!ルーツロックレゲエおすすめアーティスト
Bob MarleyやPeter Toshが亡くなった後も、数々のアーティストがヒット曲を生み出しています。
今聞くべき旬のアーティストとして紹介したいのがChronixx(クロニックス:ジャマイカのレゲエミュージシャン)、現在のルーツロックレゲエ界を引っ張る若きスーパースターです。
レゲエアーティストCHRONICLE(クロニクル)の息子として生まれ、子供時代は教会のゴスペル隊としても活躍しました。
2012年頃からルーツロックレゲエアーティストとして頭角を見せ始め、翌年には出す曲が次々とヒットを飛ばし、一時低迷していたルーツロックレゲエ界全体に勢いを与えました。
ジャマイカはもちろん、ワールドツアーや日本でのツアーも成功させ、2017年のフジロックフェスティバルにも出演しています。
自分の芯をしっかりと持ち、歌として届けることを使命としているChronixxは、その力強い歌声とジャマイカの若者たちの心も掴む歌詞が高い支持を得ています。
またラスタアーティストとしてはおしゃれなファッションスタイルが注目され、世界的スポーツブランドadidasにもフューチャーされています。
まとめ
ジャマイカ生まれの音楽『ルーツロックレゲエ』についてご紹介しました。
時代を超えても色褪せることなく、また新しい曲が生まれ続けることで、常に人の想いを映し出してくれる音楽です。
今の季節にも最適で、スローテンポでゆったりとした時間を過ごすことも出来ます。
この先もますます注目したい『ルーツロックレゲエ』、一度聞けばその魅力の虜になるはずです。