様々な時代背景や環境の影響を受け、新しい音楽は次々と生まれ、それぞれ独自に成長していきます。特に近年では、インターネットや作曲ツールの普及により、音楽の誕生、発展は加速しています。
この記事では、中でも特にユニークな進化を続けている、ダンスミュージックについてご紹介します。
EDMだけじゃない!止まらないクラブミュージックの進化
世界中で大変な人気を博し、日本でも有名歌手が取り入れるなど流行したジャンルEDM(Electronic Dance Music)は、著名なアーティストを輩出するなど隆盛を極めました。
そんなEDMは進化をし続けADM(Acoustic Dance Music)というジャンルを生み出しました。
これまでのEDMはシンセサイザーやドラムマシンなどの機械的な音を主に使用していました。
一方、ADMではアコースティックが指すとおりアコースティックギターなどの生楽器による演奏が取り入れられています。アッパーな曲ではなく落ち着いた曲調や、トロピカルな雰囲気を持つ楽曲が多いのが特徴です。
他にもダブステップ(Dubstep)というジャンルが流行しました。ワブルベースやグロウルと呼ばれる太いベース音と高い音圧で攻めてくるスタイルは、ベースミュージックとしての地位を確立し、瞬く間に世界中へ広がりました。
これにより、各地で既存のジャンルと組み合わされて新しいジャンルが誕生していきます。
日本でも有名になったジャンルであるレゲトンと組合わされてムーンバートン (Moombahton)が誕生しました。レゲエのリズムを刻みながら、ワブルベースや細切れにした音やボイスを盛り込むのが特徴です。
更に派生を遂げてムーンバンコア(Moombahcore)などのジャンルを生み出すに至っています。
クラブミュージックだけじゃない!ひっそりと誕生したジャンル
新しい音楽は、常にクラブから誕生しているとは限りません。というのも、クラブへ入るには年齢制限があり、警備員による厳しい入場制限があります。
そこで、クラブに入場できない未成年者達が作り上げた音楽ジャンルがあります。それがウェーブ(Wave)です。
彼らはインターネット上で、SNSやコミュニティを形成し交流していました。出来上がった音楽は、既存の楽曲の一部を切り抜いてループさせ、ベース音やドラム音を付け足すという不思議なものでした。
これがどんどん進化していき、トラップ、ダブステップなどのベースミュージックの影響を受けながら、女性のボーカルやテクノなど他のジャンルと組み合わさり、ウェーブが誕生しました。
トラップはヒップホップから派生した重圧な音が特徴的なジャンルですが、ウェーブは重圧感よりもどこか女性的な柔らかい雰囲気があります。
イギリスでは、このジャンルを大発見と称賛したDJがクラブでかけるなど、盛り上がりを見せています。
現代音楽を支えるツール!DAWとは
EDMやダブステップのようなクラブミュージックを作る上で欠かせないのが、DAW(Digital Audio Workstation)の存在です。
これはパソコン上で作曲をする際に用いるソフトウェアで、音の編集や録音、ミックスなどができます。
それだけでなく、データを打ち込むことで、楽器が弾けなくても楽曲を作成できます。
特にワブルベースは、ギターやピアノでは再現できない複雑な音で、DAWで専用のソフトウェア音源を用いなければ発することができません。
DAWでは音を自由に加工できるので、逆再生やボイスチェンジャー、音程変更、引き伸ばしなどあらゆる編集ができます。
コンピュータの発展とともに進化してきたDAWは、無限の可能性を秘めているのです。
進化を続けるダンスミュージック
ダンスミュージックは常に進化を続け、派生して新しいジャンルを生み出しています。
良いところを取り入れて既存の楽曲へ新たな命を吹き込んだり、インターネットを介して形成されたコミュニティが新たな音楽を生み出すなど、現代社会ならではの方法で作り出される音楽もあります。
それら音楽はDAWにより支えられており、コンピュータの発展とともに、新たな音楽が誕生しているのです。今後もダンスミュージックの進化から目が離せません!