世界中の「音階」の呼び方【Column12】

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音階の呼び名として用いられている「ドレミファソラシド」、何語が起源かご存知ですか? 実はラテン語なんです。イタリア語、スペイン語、ポルトガル語では同じような呼び名ですが、他の国では、各国特有の音階の呼び名が存在しています。国ごとにどのような違いがあるのかご紹介します。

目次

ラテン語の音階の呼び名の起源

ラテン語の楽曲で「聖ヨハネ賛歌」という曲があり、各小節の頭の音が、音階と同じ並びで配置されていました。「聖ヨハネ賛歌」にはラテン語で、それぞれ音階に合わせて「Ut, Resonare, Mira, Famuli, Solve, Labii」という歌詞が付いています。「Ut」は発音しにくいので「Do」に変化し、それ以外は「聖ヨハネ賛歌」の歌詞から取ることで、ラテン語での音階の呼び名は

「Do, Re, Mi, Fa, So, La, Shi」

に決まりました。

日本で用いられている音階の呼び名

日本でもラテン語の音階が主に用いられていますが、日本特有の音階の呼び名もあります。日本の音階の呼び名は

「ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ」

です。楽曲の名前として「イ短調」「ト長調」という単語を耳にしたことがある人もいるでしょう。Laの音を基準に考えると、イロハ……の順に並んでいます。

#や♭などの調合が付く音の場合は、#を嬰、♭を変と変換して音の名前の前に付けて呼びます。「Re♭」ならば「変ニ」と呼ばれます。日本ではラテン語の音階の呼び名が用いられることが多いですが、場合によっては「ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ」の呼び名で音階を指し示される時もあります。

韓国と中国での音階の呼び名

韓国で用いられている音階の呼び名は 

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です。ハングルで表記されていると全く違うように見えますが、ラテン語の「Do, Re, Mi, Fa, So, La, Shi」と同じ発音で読まれます。

一方、中国語での音階の呼び名は

「多、来、米、発、梭、拉、西」

と表記され、中国での音階も、ラテン語の音階に近い発音で読まれます。発音は変わりませんが、別の漢字が用いられることもあるようです。表記は異なりますが、ラテン語の音階の発音と変わらない発音で読まれています。

アメリカとイギリスでの音階の呼び名

アメリカとイギリスでの音階の呼び名は

「C, D, E, F, G, A, B」

で、発音はアルファベットの読み方です。アメリカとイギリスでは調合は音名の後に付け、「Re♭」の場合「D♭」と表記されます。Laの音を基準にするとABC……のアルファベット順に並んでいます。

ドイツとオーストリアでの音階の呼び名

ドイツやオーストリアではドイツ語での音階の呼び名が用いられ、表記は

「C, D, E, F, G, A, H」

です。途中まではアメリカやイギリスと同じアルファベットでの表記ですが、「Shi」の音のみ「H」と表記されます。読み方も英語とは異なり、

「ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー」

と読みます。#や♭のような調合は音名の後に付けて表記しますが、読み方が変わるので注意が必要です。#を付けるとis、♭を付けるとesが音名の後に付きます。「Re♭」の場合「D♭」と表記されますが、発音は「Des」です。

おわりに

国ごとに音階の呼び方が異なるため、楽曲の名前も呼び方が異なってしまうことがあります。

バッハの「G線上のアリア」という曲がありますが、ドイツ語で読むと「ゲー線上のアリア」になってしまいます。

英語読みでの「ジー線上のアリア」の呼び方が浸透しているようにも思えますが、ドイツやオーストリアでは「ゲー線上のアリア」と呼んでいる人もいます。

オーケストラや吹奏楽ではドイツ語での音階の呼び方が用いられることが多いので、日本語よりもドイツ語の音階の方が馴染みがある方もいるでしょう。

国ごとに言語が違うため、楽器の呼び方が異なることもあります。音楽を通して、言語によって異なる違いを楽しんでみましょう。

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