【簡単ヴォーカルレッスン】02.裏声をマスターしよう

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前回は、魅力的なヴォーカリストの5つのポイントと、上手に歌うための準備にあたる「音の視覚化」「感情のコントロール」「イメージ力」について説明しました。

今回は、歌の上達に欠かせない「裏声」について、出し方から練習法までをじっくり解説します。「裏声」を出すことができ、さらにコントロールすることが、上達の近道であり王道です。

裏声をマスターすると、歌の上手い魅力的なヴォーカリストの要素のひとつである「音程が合っている」のレベルが格段に上がります。ぜひトライして下さい。

目次

声帯の仕組みを知る

裏声を出す前に、まずは喉を使って声を出す原理を知っておきましょう。意外と自分の身体のことを知らない人は多いものです。声を出している時に喉はどう動いているのか、口の中はどんなふうになっているのか……そういった知識を身につけておくと、身体を使う時にイメージがしやすくなり、上達が早くなります。プロのヴォーカリストや指導者の多くは、解剖学を学んでいます。身体の仕組みを調べてみるのも、良い勉強になります。

今回はまず、についての知識を身につけます。鏡を使って口を開けて喉のアーチを見てみましょう。歯医者さんに言われて口を開けるイメージです。思いっきり口を開けて、喉を観察してみましょう。「喉のアーチ」が見えましたか? このアーチが、声の高さを調節する部分です。

喉 アーチ ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

力任せにしても高い声は出ません。声の高さを変えることができないという人は、この喉のアーチが動いていない人です。ではこのまま観察をしながら喉を動かしてみましょう。

Let’s Try!

喉のアーチを動かしてみよう

実際に鏡を見ながら喉のアーチを動かしてみましょう。ドーム型になっている喉のアーチを縦長にしてみて下さい。

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いかかですか? 喉を動かすことは出来ていますか? 最初は動かしにくいかと思いますが、諦めずに取り組みましょう。

それでは、動かすことができたら声を出してみましょう。ドーム型になっている時と縦長になっている時で声は、どのように変わるでしょうか? 実際にやってみてください。

どうでしたか? ドーム型の時と縦長の時と声の高さはどう変わりましたか? 実際にやってみて分かったと思いますが、縦長にしていくと声は高くなります。

それでは、なるべく限界まで縦長にしてみましょう。そうやって喉のアーチを動かしているうちに、喉がほぐれてきます。高い声や裏声は出せなかった人もこの喉のアーチを意識して縦長にすることで出せるようになります。男性の方は喉仏が動いているのが分かると思います。これが「音程」を作る仕組みです。毎日動かして慣らして下さい。

裏声を鍛える

裏声を使った練習方法を紹介していきます。まずはフクロウの鳴き声をイメージして、高い音で「ホーッ」と発音してみて下さい。もし上手く裏声にならなかったら、先ほど練習したように、鏡で喉のアーチを確認しながら発声してみてください。「ホーッ」が上手く出せない人は「フーッ」でも良いです。

出せるようになってきたら、裏声だけで話すようにしてみて下さい。最初は途中で声がかすれたり戻ったりすると思います。慣れるまで続けましょう。

次に、普通の低い声から裏声にする練習です。まずは普通に「アー」と低い声で発声して下さい。次に裏声で「フーッ」と発声して下さい。それができるようになったらそれを交互にしてみましょう。「アー」「フーッ(裏声)」「アー」「フーッ(裏声)」……これができるようになれば、かなり裏声をコントロールできていると言えます。

Let’s Try!

3つの練習を毎日やろう

①フクロウ発声
裏声で「ホーッ」「ホーッ」または「フーッ」「フーッ」と出せるようになる。慣れたらその音を長く伸ばしてみる。

②裏声お話
裏声を使って話をしてみる。「やあ」「おはよう」など、まずは単語で良い。慣れてきたら自己紹介などにチャレンジする。

③交互練習
低い声で「アーッ」と出したあとに裏声で「フーッ」と出す。慣れてきたら「アーーーフーーー」と間を開けずに出してみる。

上手くいかない時は必ず第一章の喉のアーチを思い出して下さい。これはいわゆるストレッチのようなものです。喉を動かして鍛える練習です。

ちなみに、普段の話声が裏声に近い方は、逆に低い声を出す練習をして下さい。低い声の出し方は、喉のアーチをドーム型にして、さらに平べったくすることです。上手くいかない場合は顎を下げるようにすると良いでしょう。男性は喉仏が外からでも見えるので分かりやすいかもしれません。

裏声を応用させるミドルボイスへ

ここで少し、声の種類について説明します。これは、上手なヴォーカリストの項目のひとつの「声質」にも大きく関わってきます。

普段、話し声や普通に出している声は、表声(ミドルボイス)です。このミドルボイスだけ歌おうとするには、音域に限界があります。無理に高い声を出そうとすると張り上げてしまい、喉を痛めてしまいます。ミドルボイスは低い音や中間の高さの時に有効です。

そして次に、今回のテーマである裏声はファルセットと呼ばれており、これが重要になってきます。ファルセットを使えるようになればヴォーカルの幅が広がります。しかし、ファルセットは高い音は出せますが、薄い声になり張りのある声ではありません。ファルセットを有効に使う場面はたくさんありますが、ファルセットでは音域も狭く、魅力ある歌声を出すことはできません。

そこで、最終的に一番身につけたいのが、このミドルボイスとファルセットを融合させたミックスボイスというものです。このミックスボイスを使用すると、高くて張りのある声が出せます。

高い音を出す時にどんなイメージを持っていますか? 下から音を上げていこうと思っていませんか? このイメージを持つと、目標の音に向かって単純に首を締めていく状態になります。まずは練習として、裏声(ファルセット)から音を下げていくようにしましょう。

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裏声(ファルセット)で高い声を出して、そこから音を下げてみて下さい。ただし、途中で音がひっくり返って表声(ミドルボイス)にならないように注意してください。このように、ファルセットから声を出すというのはとても大切なことです。

マイケルジャクソンという歌手を知っているでしょうか? 彼はファルセットを巧みに使い、ミックスボイスを使いこなし、高い声も力強く歌っています。彼のヴォイストレーニングの動画では、上記のように、ファルセットから音を下げていく練習をしていました。ファルセットの状態でどこまで音を下げられるか、ぜひやってみて下さい。

Let’s Try!

ファルセットから声を出して低い音まで下がり、そのまま高い音に戻る練習を繰り返そう

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途中で声がひっくり返らないようにして下さい。大事なことは、下がる時に低い音を裏声のままにするということです。決して今は大きな声でなくて良いです。弱い声でも良いので、この練習を続けて下さい。感覚が分からなくなったら、鏡を見てまた喉を確認するようにして下さい。

終わりに

カラオケですぐに喉がダメになる人はいませんか。そんな方は、裏声で歌う曲を所々に入れてみましょう。そうすると喉の負担が減るので、長持ちするようになります。現在活躍しているアーティストのほとんどが、この裏声をマスターして歌っています。特にR&Bの世界では、この歌い方が基本になってますね。どれだけ歌っても声が枯れない人は、この裏声を上手に使っています。今回の裏声の練習は、今後のヴォーカリスト人生を歩む上でかなり重要な部分です。

最初に説明した喉のアーチについては、音域が広がらない人には特に有効です。毎日鏡で確認して下さい。実際にこの練習で音痴が治った人もたくさんいます。

その後の裏声練習も、毎日続けていけばコントロールできるようになります。根気よく行って下さい。最後のミドルボイスをマスターすれば、ほぼどの音域の歌もクリアできます。今までカラオケで音が高くて歌うことができなかったアーティストの歌も、これから歌えるようになりますよ。

いきなり大きな声で高い音を出そうとすると喉を潰してしまいます。まずは裏声からじっくり鍛えましょう。実はこのミドルボイスは、クラシックでもメタルでも使用されています。とても重要なテクニックです。毎日、裏声のトレーニングを欠かさずに行なって下さいね。

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