【簡単ヴォーカルレッスン】03.身体の仕組みを知ろう

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前回は、歌の上達に欠かせない「裏声」について、出し方から練習法までをじっくり解説しました。

今回は、身体の仕組みについて説明します。身体の仕組みを知ることは、上達への近道です。タレントの武井壮さんが怪我をした時に、解剖学の本を読んで自分で怪我をしたところを思い浮かべ、それが治るイメージを毎日想像したそうです。実際にそれで怪我が回復したと語っていました。

身体の仕組みを理解しイメージすることは、それだけの効力があります。それは、スポーツや歌の練習でも同じことが言えます。練習を勢いでなんとなく済ましているかもしれませんが、しっかり理論で行わなくてはなりません。

自分の身体がどう動いているかを知る必要があります。最近では、ボディマッピングやアレキサンダーテクニークなど、身体に関する講義が音楽大学でも行われるようになりました。歌の上達には身体の動きを知ること。これが当たり前になってきています。
ぜひ、身体の作りについて知っておきましょう。

目次

腹式呼吸をマスターしよう

「腹式呼吸」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。改めてその呼吸の仕組みを理解しましょう。まずは肺と横隔膜について確認です。

腹式呼吸 横隔膜 肺 ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

肺が膨らんだり、もとの大きさに戻ったりする時、空気が出入りします。肺の呼吸運動は、肺の下にある横隔膜という筋肉や、肺の周りのろっ骨を動かす胸の筋肉のはたらきによって行われています。

歌の上手い魅力的なヴォーカリストの項目のひとつの「声量」は、この「横隔膜」が大きな役割を担っています。

腹式呼吸と呼ばれている呼吸は、この横隔膜を使った呼吸です。「お腹で吸う」ということを言われたことがあるかもしれませんが、具体的にはこの「横隔膜を動かして吸う」ということです。では、具体的に息を吸う時、吐く時でどんな動きをしているか確認しましょう。

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大事なポイントは、横隔膜が動いて、肺が動いていることです。最初は意識して横隔膜を動かすことが大切です。「お腹から呼吸をして」と言われていた正体がこれで分かりましたね。

Let’s Try!

横隔膜の動きを手で表しながら呼吸をしてみよう

両手でも片手でも良いですが、横隔膜の動きを手で表しながら呼吸してみましょう。息を吸う時は、息を吸いながら手をどんどん下へ下ろしていきます。どんどん深く息が吸えると思います。大事なのは手の動きを止めないこと。滑らかな動きでゆっくり動かすことです。

息を吐く時は、手を下の位置から少しずつ上げていきましょう。これも決して止めることなく、ゆっくりゆっくり息を吐きながら動かして下さい。途中であくびが出た人は合格です。深い呼吸が出来ている証拠ですね。

身体をメンテナンスしよう

身体は楽器です。楽器がボコボコにヘコんでいたら良い音は出ません。歌も同じです。身体が歪んでいたり正しく機能していないと、どれだけ良い歌を出そうとしても出すことはできません。しっかり身体をメンテナンスしましょう。

まず、身体に負担がかかっている首からです。この部分をしっかりほぐす必要があります。首のあたりは疲れや緊張で一番疲れやすい部分です。歌う前もそうですが普段からしっかりほぐすようにして下さい。

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ちなみに、本番に緊張して失敗するという人はこの部分が固まっています。首が固まると身体全体が固まってしまいます。「緊張しないようにしよう」ではなく、「体をリラックスさせよう、ほぐそう」と意識してみて下さい。先ほど説明した腹式呼吸も有効です。首を解放することが真のリラックスです。ゆっくり首を回してリラックスさせましょう。

Let’s Try!

骨格のイラストを見ながら体を動かしてみよう

①手を上げてみる

まずはなにも意識せず手を上げてみましょう。だいたいどこまで自然に上がるでしょうか。そのあとに自分の正しい肩の位置を確認してみます。

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もう一度手を上げてみましょう。いかかでしょうか? 先ほどより手がしっかりと上がったと思います。この意識を持って、両腕を上げて伸びるなどして、身体をしっかり伸ばしてみましょう。

②足を上げてみる

これも先ほどと同じです。まずは特に意識をせず足を歩くように上げてみましょう。だいたいの普段の足を上げる高さが分かったと思います。では次に実際の位置を確認してみましょう。これも手と同様に、上がる高さが変わったことでしょう。

骨格 ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

ストレッチも歌の練習も身体の仕組みを理解して正しく動かしているかどうかでその効果が大きく変わってきます。前回説明した喉のアーチと同じで、知らずに練習するのは時間のロスです。正しい身体の認識を持って練習を進めましょう。

表情筋を鍛えよう

ヴォーカリストは体も使いますが、顔の筋肉の使い方も大切です。実は顔の表情と歌声は大きく関わってきます。ヴォーカリストの項目である「音程」や「表現力」にも関わってきます。「高い音を出す時に眉毛を上げると音程が上がる」「前歯を見せるように口をあけると声がよく通る」など、細かいところでテクニックとして使われています。

自分が好きだと思うヴォーカリストの表情、口の開け方を研究するのも面白いです。顔の筋肉を鍛えることはとても大事です。

それでは、この表情筋を鍛えるトレーニングをしましょう。

①「ウ」「イ」「ウ」「イ」体操

表情筋を鍛える第一歩がこの体操です。とても簡単な練習なので、ぜひ毎日続けて下さい。

表情筋 ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

まずは「ウ」「イ」を1セットとして30回やってみましょう。顔が温かくなってくるかと思います。血液の流れが良くなっている証拠です。

②鼻腔体操

口の周りの筋肉を鍛えることができたら、次は鼻の周りです。ヴォーカリストの方で「鼻から声を出すイメージで歌っている」という方がいました。鼻には鼻腔と呼ばれる場所が存在しており、「声質」である響きをつけるのにとても重要な役割を果たしています。

鼻腔 ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

声を響かせるイメージをこの鼻腔に持って下さい。響きのある綺麗な声になります。

それでは、鼻腔の周りをほぐすトレーニングをしていきましょう。

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この「グッ」「パッ」を1セットにして、まず10回繰り返してみましょう。ちなみに、鼻の通りが普段から良くない人は、耳鼻科を受診して治してもらいましょう。アレルギーや花粉はヴォーカリストにとって天敵です。

③ベロ体操

最後は舌のトレーニングです。舌は滑舌に影響しているのはもちろん、実は「音程」にも影響しています。舌は喉と深い関係があるので、喉のコントロールと舌のコントロールは一体です。また、先ほど説明した首の疲れも、この舌が関わってきます。こちらも毎日しっかり動かしていきましょう。

ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法

この時に、顔の筋肉全部を使って、しっかり舌を出して下さい。この上下を1セットにして10回繰り返しましょう。舌の動きが良くなります。

Let’s Try!

3つのトレーニングを朝昼晩しよう
①「ウ」「イ」「ウ」「イ」体操30回
②鼻腔体操10回
③ベロ体操10回

継続は力なり、です。毎日続けることが大切です。

終わりに

今回は、身体の仕組みについてじっくり説明しました。こういったことを感覚でやってしまっている人は多いです。身体の仕組みを知らなくても歌の練習はできます。しかし、仕組みを理解しそのイメージを持って練習すると、上達スピードは格段に上がります。

これは、自分がスランプに陥った時の改善の目安にもなります。体がその原因を教えてくれます。変は喉や体の使い方をしていると、どこかで限界がきてしまいます。プロのヴォーカリストでも、そういったことは実際にあります。

身体の仕組みを知っておくことは、上達への近道であり、不調に対する最大の防御にもなります。ぜひ覚えておいて下さい。

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