【簡単ヴォーカルレッスン】07.声量を出すために

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前回は「耳を鍛える」をテーマに解説しました。

今回のテーマは、歌の上手いヴォーカルに必要な項目のひとつ「声量」です。ライブ会場いっぱいに響き渡る歌声は素晴らしいですよね。いくらマイクを使うからといっても、ヴォーカル自体の声がしっかりしていないと、その声で人を感動させることはできません。

肺活量を増やすというよりは、うまく呼吸を使うことができるようになるのが目的です。呼吸法のトレーニングとして、すぐに実践できるものをたくさん紹介します。

目次

様々な呼吸法をマスターしよう

呼吸は人生を変える。そこまで言われるくらい、呼吸は人にとって大切なものです。正しい呼吸はその人の体調を整え、気持ちをスッキリさせてくれます。簡単な呼吸法から、難易度の高いものまで、いろいろ取り組んでいきましょう。

呼吸トレーニング①「8×8の呼吸」

一番シンプルな呼吸法です。鼻で8拍吸って、口から8拍吐く呼吸です。ここでのポイントは、息の流れが止まらないようにすることです。よくあるのが、8拍になる前に吸い終わっていまったり、吐くのも8拍前に終わってしまい身体に力を入れるパターンです。自然な呼吸で行ってください。

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また、喉の抵抗を感じないように、リラックスして顎の力も抜きましょう。あくまで喉は通り道。入ってきた息がそのままお腹に入るイメージです。出て行く時も、そのままお腹から出るイメージです。手をつけて息の流れをイメージするのも良いですね。大切なことは、絶対に途中で息を止めないこと。止めて行う呼吸トレーニングもありますが、ここはあくまで自然な流れを目指します。

呼吸トレーニング②「息を吐き切る」

次は、吐き切ることを目的にした呼吸トレーニングです。呼吸トレーニングというと吸うことに意識が向きがちですが、大切なのは吐くことです。細かいトレーニングの前に、まずは息を吐き切ることをしてみましょう。

吸った息を、吐けるだけ吐いてみてください。息がなくなったと思っても、3回は横隔膜を使って息を出し切って下さい。息の流れを止めないように。

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ありがちなのが、最初に一気に息を使ってしまうことです。息をたっぷり使うことが目的なので、一気に出し切ろうとはしないで下さい。ゆっくりたっぷり時間を使って息を吐いていって下さい。大切なのは、体は必ずリラックスすることです。「お腹に力を入れて」というイメージは大切なのですが、たいていその場合は体全体に力を入れてしまう人が多いです。顔だけが前にいってしまう人も多いので気をつけて下さい。

呼吸トレーニング③「コントロール呼吸」

次は先ほどの呼吸法を発展させて、吸う長さと吐く長さをどんどん変えていきます。カウントを入れて、息をコントロールしていきます。ここでは決められたカウントで息を全て吐き切ることがポイントになります。カウントよりも早く息がなくなってもダメ、息が吐き切れていないのもダメです。カウント内で息を吐き切るようにして下さい。この一気に息を出す感覚が、力のある声を出すことに繋がります。

さっそく始めましょう。トレーニングは全部まとめて1セットです。途中でやめてしまうと、あまり効果はありません。最後まで一気に進めて下さい。この練習は、鼻呼吸だと短いタイミングで吸うのが難しいため、その場合は口で吸ってもかまいません。

(1)吸う息を8拍、吐く息を8拍で行う。これを2回行う。
(2)吸う息を8拍、吐く息を12拍で行う。これを2回行う。
(3)吸う息を8拍、吐く息を16拍で行う。これを2回行う。
(4)吸う息を4拍、吐く息を16拍で行う。これを2回行う。
(5)吸う息を4拍、吐く息を12拍で行う。これを2回行う。
(6)吸う息を4拍、吐く息を8拍で行う。これを2回行う。
(7)吸う息を4拍、吐く息を4拍で行う。これを2回行う。
(8)吸う息を2拍、吐く息を2拍で行う。これを2回行う。
(9)吸う息を1拍、吐く息を1拍で行う。これを4回行う。
(10)吸う息を4拍、吐く息を8拍で行う。これを1回行う。

最後の方はかなり大変になってくると思います。これを続けることで、確実に呼吸をコントロールできるようになります。そしてこの呼吸がそのまま歌に繋がります。慣れてきたら、息を吐くところを「アー」などの声にしてみましょう。テンポは60程度が理想ですが、初めのうちはもう少し早くしても良いです。

Let’s Try!

3つのトレーニングをしよう
 呼吸トレーニング①「8×8の呼吸」
 呼吸トレーニング②「息を吐き切る」
 呼吸トレーニング③「コントロール呼吸」

これを毎日行いましょう。継続は力なり、です。この練習は体にも良い効果があります。

器具を使ったトレーニングをしよう

身近なものを使ってのトレーニングをしていきましょう。100円ショップなどで手に入るものや、普段使用しているものでも、利用できるものはたくさんあります。それを上手に活用して練習しましょう。

器具を使ったトレーニング①「ペットボトル」

ペットボトルを用意して下さい。500mlのものでも良いですが、鍛えるためには思い切って1.5Lのものにしましょう。また、素材についてはあまり固すぎたり、柔らかすぎるものは使いにくいです。単純に固いものは難しい、柔らかいものは簡単という認識で、自分に合うものを選んで下さい。

このペットボトルの底面に、コンパスの針や画鋲のようなもので、小さな穴を3、4箇所開けて下さい。あまりたくさん開けすぎると使いにくくなります。

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衛生面を考慮し、この練習器具は定期的に新しいものに変えて下さい。買った飲んだものをストックしておくと良いと思います。さっそく練習方法の説明をします。

これは、たっぷり息を吸う、吐く、という練習のために使用します。「たっぷり」だとか「たくさん」と言われてもイメージが沸かないかもしれませんが、この器具なら視覚的に確認することができます。ペットボトルをくわえて息を吸う、吐く、を繰り返して下さい。しっかり息を吸う、吐く、ができていればペットボトルは写真のように膨らんだりへこんだりします。

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この時のお腹の動きにも注目してください。正確には横隔膜です。しっかりと動いているでしょうか。息の動きとペットボトルの動きが連動しているので分かりやすいと思います。

息のコントロールができるようになったら、次は実際に声を出してみましょう。たっぷり息を吸ってペットボトルをヘコませて、一気に「ハッ」という発声とともにペットボトルを膨らませてみて下さい。

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ポイントは、お腹から一気に息を送り込むイメージです。いかに今まで喉で息を止めていたかが分かるかと思います。最初はかなりお腹が痛くなると思うので、あまり無理をしないようにして下さい。

また、ロングトーン練習として、声を長い間出す練習にもできます。同じように息を吸ってペットボトルをへこませて、声を出し続けながらペットボトルを膨らませ続けてみましょう。かなり効果があります。

器具を使ったトレーニング②「風船」

続いて、風船を使ったトレーニングを紹介します。風船はどんな形でも良いですが、新品のものを使いましょう。これもかなりお腹に負担がかかる練習です。ポイントは、一気に風船を膨らませることです。未使用の状態の風船はかなり膨らませにくいので、良いトレーニングになります。

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どうしても難しい場合は2回に分けても良いですが、ぜひ一回で膨らませてみましょう。このトレーニングもあまりやりすぎると体に負担がかかるので、無理をせずほどほどにして下さい。

Let’s Try!

2つのトレーニングをしよう
 器具を使ったトレーニング①「ペットボトル」
 器具を使ったトレーニング②「風船」

これらのトレーニングは、継続して行わなければ効果がありません。すぐには変化は見えてこないかもしれませんが、続けることが大切です。

市販で売られている呼吸練習器具もあります。自分に合いそうなものを探して使用するのも良いでしょう。どうしても大きな声が出ない時はこういった器具を活用すれば、声を出す練習にもなります。また、大きな声を出したいけど環境として難しい時に、ミュートとして使用することもできます。市販の器具が手にがいる方は、上手に活用してレベルアップを図りましょう。

音階を使ったトレーニングをしよう

ここからは楽譜を使い、声を出しながらのトレーニングをします。ブレスコントロールや呼吸法は得意なのに、それが歌に生かすことができない、という方も多くいます。声を出すとそちらに意識が全て言ってしまい、息のコントロールや呼吸法でやっていたことができなくなってしまうのです。これまでのトレーニングを、しっかりと歌に活かせるよう練習しましょう。簡単な音階から徐々にステップアップしていきます。

音階を使った呼吸練習 「ドレミレ」を1セットにして、1回のブレスで何回繰り返すことができるか


(1)息をたっぷり吸う
(2)まずはテンポ110ぐらいで良いので「ドレミレ」をひとセットにして、「ドレミレ」「ドレミレ」「ドレミレ」……と息がなくなるまで歌い続ける。最後の方はかすれても良いので、完全に息がなくなるまで。音は繋げるように歌う。
(3)息がなくなってもう声が出なくなったら終了。のどを痛めるような発声はしないように。

 10回を目指して頑張ってください。

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慣れてきたら、どんどん音階の音を増やしていきましょう。「ドレミファソファミレ」さらに最後は「ドレミファソラシドシラソファミレド」。

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管楽器などを演奏したことのある方には、経験のある練習方法かもしれません。これは毎日続けることで効果があります。呼吸法の練習だけでは取得できない部分なので、実際にこのように声を出して練習しましょう。「ドレミファソファミレ」は7回、「ドレミファソラシドシラソファミレド」は最終的に5回できれば合格です。しっかり息を流し続けるようにしましょう。

最後に、少し跳躍(音が飛ぶ)した音階練習を一息で歌うトレーニングをしてみましょう。もし歌うのが大変なら、2小節ずつで良いです。最終的には4小節を目指しましょう。

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Let’s Try!

4つのトレーニングをしよう
(1)「ドレミレ」を1セットにして、ひと息で10回歌う
(2)「ドレミファソファミレ」を1セットにして、ひと息で7回歌う
(3)「ドレミファソラシドシラソファミレド」を1セットにして、ひと息で5回歌う
(4)「ドミレファミソファラソシラドシレドドラシソラファソミファレミドレシド」をひと息で歌う

このトレーニングは、息の流れをコントロールすることを目的にしています。体はリラックスさせて。長く息が続くようにしましょう。歌いながら息をコントロールするのは難しいですが、これができるようになると、大きい声も小さい声も出せるようになります。

終わりに

声の出し方というのはたくさんあります。無理に声を出してしまうと、あとで大きな障害が出てくる可能性があります。プロのヴォーカリストの中でも、無理な声の出し方をして年々声が出せなくなっている人もいます。スーパーテクニックをもったヴォーカルに憧れる気持ちは大切ですが、いきなり素晴らしい歌声は出せないので、ゆっくり丁寧に積み重ねていきましょう。

それから、マイクを持って歌う時に、体をねじったりする方も多いです。首を曲げたりする方もいます。どこかが緊張した状態で歌う習慣を付けてしまうと、治すのがかなり大変です。お風呂でリラックスして声を出す。あのスタイルが、ある意味原点だと思います。楽しく落ち着いて練習を続けていきましょう。

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