【はじめての楽典】あなたの音楽をもっと豊かに!『楽典』のススメ

知らないより、知っている方が何倍も楽しい。それは何にでも言えることです。たとえばスポーツを観戦するとき、何も知らないよりも、ルールを知っている方が、より楽しめますね。

実は、音楽も同じなんです。ルール理論を学ぶことで、何気なく聞き、口ずさみ、演奏しているその音楽が、もっと楽しく、もっと豊かになるんです。

音楽のルールや理論とは何かというと、その代表は『楽典』です。

楽典って何? そんなの学ぶ必要があるの? 知るとどう変わるの? 普通の人には馴染みがなく、ちょっととっつきにくい『楽典』のことを、この記事でわかりやすくご紹介します。

楽典って何?

楽典とは音楽理論のことです。音楽を作る時、演奏する時、時には聴く時にも知っておくと便利な、楽譜に関する知識を学ぶことができます。

たとえば英語を学ぶ時、アルファベットも知らず、ただひたすら聞いて話すだけより、単語の綴りを覚え、文法を学ぶ方が、結果的にしっかり身につきますし応用も利きますね。

同じように、音楽もいわゆる「耳コピ」をし、見よう見まねで演奏することもできますが、楽典を学ぶことで楽譜に書かれている音楽を理解したり、自分で楽譜を書いて人に伝えたりできるようになるのです。

『楽典』と『ソルフェージュ』

楽典は普通、誰にとって必要かというと、やはり音楽を専門に学ぶ人です。

音楽大学の入試試験には、一般的に『聴音』『楽典』『視唱』の科目があります(大学や専攻により、ない場合もあります)。

聴音は演奏される旋律や和音を聴いて書き取り、楽譜にすること。視唱は与えられた旋律を、その場で歌うことをいいます。

これらはすべて『ソルフェージュ』という大枠に含まれます。

ピアノを習ったことのある人なら、耳にしたことがあるでしょうか。ソルフェージュはフランス語で、音楽をするために必要な知識や訓練のことを表しますが、特に楽典をある程度学んでおかなければ、聴音や視唱がなかなか進みません。

楽典は音楽教育の幹となるものなのです。

ちなみに本家のフランスでは現在、ソルフェージュではなくフォルマシオン・ミュジカルという言い方が主流です。音楽に関する教養を総合的に取り込み、より深い理解と応用力を身に付けさせるものとなっています。

楽典を学ぶ意味

結局、楽典は音楽の専門家だけに必要なんでしょ?というと、そんなことはありません。楽典について何も知らなければ、楽譜を読むことができません

え? 楽典なんて知らないけど、楽譜は読めるよ、というあなた。実は知らず知らず、楽典を学んでいたのです。

たとえば、ト音記号や、ドからシまでの音の順番五線上での位置、fやpの強弱記号、ハ長調やト長調の曲の調など、どれも重要な音楽理論の項目です。

音楽の授業で習ったことを、なんとなく思い出されたでしょうか。

そんなわけで、多くの人は、必要最低限の楽典の知識を持っているというわけですが、じゃあなぜ改めて、楽典を学んだ方が良いのでしょう。

楽典を学ぶと、個々の項目がバラバラでなく繋がりを持ち、相互に意味を持っていることがわかります。

そうすると、曲の作り曲の意味や意図を理解できるようになります。

また、正しい音楽の『文法』を知れば、ステップアップして、ただ与えられた曲を弾くだけでなく、文法を活かして自分で曲を作ったりアレンジをしたりすることもできるようになるのです。

楽典で、あなたの音楽をもっと豊かに

楽典の学習は、最初のうちは記憶のために個々の課題をこなすだけになるかもしれません。しかし実践に入ると、これまで知っている曲や楽譜が、まったく新しいものに見えてきます。

あなたの音楽をより楽しく、そして豊かにする『楽典』。次回からより具体的に、その内容をご紹介していきます。

できるだけわかりやすくお伝えしますので、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

>次回 第1章 『音』について知ろう①音の種類と高さ