【ミックス&マスタリング入門】第2回 使用するプラグイン・エフェクター

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連載【ミックス&マスタリング入門】第1回では、ミックスとマスタリングに必要なモニター環境についてご紹介しました。

第2回目は、ミックス時に使用する主なプラグイン・エフェクターをご紹介します。

種類が多すぎて一気に覚えられないという方も、ここで紹介するエフェクターの名前とミックス時の役割だけでも覚えておきましょう!

目次

ミックス時に最重要のダイナミクス系エフェクター

イコライザー(EQ)

音質の補正、不要な帯域のカット、音作りなどで、ほぼすべてのトラックに使用する、ミックス時の最重要エフェクターのひとつがイコライザー(EQ)です。

イコライザーには「パラメトリックイコライザー」「グラフィックイコライザー」の2種類がありますが、ミックス時に主に使用するのはパラメトリックイコライザーです。

パラメトリックイコライザーはFrequency(周波数)、Gain(増減の量)、Q(変化幅)の3つを調整して使用します。

もう1つのグラフィックイコライザーは、周波数や変化幅はあらかじめ設定されていて、各周波数を調整していきますが、ミックス時にはあまり使用しません。

ミックス マスタリング イコライザー EQ CUBASE Pro 10 StudioEQ アナライザー

CUBASE Proにも上の画像の「StudioEQ」という、アナライザー表示もしてくれる優れたイコライザーが付属します。

STEINBERG ( スタインバーグ ) / Cubase Pro 11


しかし今回のミックスの解説では、世界的な定番となったと言っても良い、下の画像の「FabFilter Pro-Q3」という多機能なパラメトリックイコライザーを使用します。

ミックス マスタリング イコライザー EQ FabFilter Pro-Q3 パラメトリックイコライザー
FabFilter ( ファブフィルター ) / Pro-Q3

コンプレッサー

ボーカル、ドラム、ベース、ギターなど主要パートでほぼすべてに使うコンプレッサーは、イコライザーと同様に、ミックス時の最重要エフェクターです。

簡単にコンプレッサーについて書くと、大きい音を圧縮して、小さな音は大きくする「音を均一化するエフェクター」です。

しかし、アナログ機器の名機コンプレッサーをモデリングしたプラグインが多数発売されていて、音を均一化するだけでなく、音作りにも積極的にコンプレッサーは使用されています。

下の画像の、CUBASE Proに標準で搭載されている多機能コンプレッサー「Tube Compressor」は、音に温かみを出すことができます。

ミックス マスタリング CUBASE Pro 10 コンプレッサー Tube Compressor

人工知能プラグイン「Neutron」

iZotope「Neutron(ニュートロン)」という、トラックを解析して自動的にイコライザーとコンプレッサーの設定をしてくれる魔法のようなプラグインがあります。

ミックスが苦手という初心者や中級者の方は多いと思いますが、「Neutron」を上手に利用して、イコライザーとコンプレッサーの設定方法や、ミックスのやり方を覚えていくという方法もあるでしょう。

  • Neutron、Ozoneなどを収録したプラグインバンドル
iZotope ( アイゾトープ ) / Music Production Suite 4

空間系エフェクター

リバーブ

ドライなサウンドへのこだわりがある場合は別ですが、残響を加えるリバーブは、ほとんどの場合でミックスに使用される空間系エフェクターです。

ミックス時に最もリバーブの使用頻度が高いのはボーカルですが、各パートに奥行きを出したり、トータルのまとまりを出すための目的でも使用します。

リバーブタイプには「Room」「Hall」「Church」「Plate」などのキャラクターがあり、ミックス時に2~3種類のキャラクターの違うリバーブを別々に立ち上げて使用することが多いです。

ディレイ(Delay)

Delay Time(反復する時間)やFeedback(反復回数)を調整して「やまびこ」の効果を演出するのが空間系エフェクターがディレイです。

ボーカルのお化粧に使用したり、1本のギタートラックを2本で弾いているような効果を出すときなどに、ディレイを使用します。

その他のエフェクター

アンプシミュレーター

ギターアンプやベースアンプの特徴を再現することができるプラグインが、アンプシミュレーターです。

自宅でギター演奏を大音量でアンプ録りをすることができる方は少ないと思いますが、アンプシミュレーターを使用することにより、大音量のアンプ録りと近いサウンドにすることができます。

また、最近はリアルなギター音源による打ち込みでのギタートラックも当たり前のように耳にするようになりました。

打ち込みでのギターでも、アンプシミュレーターを使用することにより、本物のギターとの区別がつかないほどのクオリティーに仕上げることが可能です。

今回は、実際に演奏したギターと、打ち込みのギターの両方を使用して、エレキギターのミックスの解説をしたいと思います。

使用するアンプシミュレーターは、「CUBASE Pro 10」に付属する画像の「VST Amp Rack」

ミックス マスタリング アンプシミュレーター CUBASE Pro 10 VST Amp Rack

そして、IK Multimediaの定番ギタープラグイン「AmpliTube 4」です。

  • AmpliTube、T-RackS、MODO BASE、British Channel、Bus Compressor、Quad Image、Metering、EQualなどを収録したバンドル
IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / Total Studio 2 MAX

ピッチ補正ツール

ボーカルのピッチ補正プラグインも現在は必須のエフェクターで、ピッチの修正タイミングの補正だけでなく、ハーモーニー生成なども行うことができます。

「CUBASE Pro 10」には「VariAudio」という高機能なピッチ修正ツールが装備されていますが、現在のピッチ補正の定番はCelemony「Melodyne」です。

CELEMONY ( セレモニー ) / MELODYNE 5 ASSISTANT


昔はAntares「Auto-Tune」も定番ツールでしたが、現在は「Studio One」などの主要DAWソフトに、ライト版の「Melodyne」が標準搭載するようになり、ピッチ補正には「Melodyne」を使用する人の方が多いです。

まとめ

ここで紹介したプラグインだけではなく、ミックス&マスタリング時には他のエフェクターも使用しますが、まずは上記したプラグインを使いこなすことが重要です。

特にイコライザーコンプレッサーは重要で、使いこなすことができれば初級者の壁を乗り越えることができます。

そうは言っても、難しいと言われてきたコンプレッサーも、近年はプラグインが大きく進化しています。

各トラックを解析して良い感じに自動で設定してくれるiZotope「Neutron」もありますので、そこまで構える必要はありません。

実際に使いながら、少しずつ感覚をつかんでいきましょう!

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