【ミックス&マスタリング入門】第3回 ミックスからマスタリングまでの流れ

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連載【ミックス&マスタリング入門】第2回目では、ミックス時に使用する主なプラグイン・エフェクターをご紹介しました。

第3回では、作曲、レコーディング後のDAWソフトでのミックスからマスタリングへの流れマスターファイルのフォーマットについて解説します。

今後、音楽配信サービスは高音質化していくことが予想されますので、CDフォーマットに合わせた音楽制作は時代遅れになります。音楽の作り方も、時代に合わせてアップデートしていきましょう!

目次

ミックス作業

ラフミックス

生楽器のレコーディングや、上記画像のようなソフトウェア音源を使用した各トラックのMIDIデータのオーディオ化が終わった後に、各トラックの定位や音量感などを決める「ラフミックス」という作業を行います。

この作業はミックスの方向性を決めると同時に、本番のミックスの効率を上げるための重要な作業です。

主に使用するのはボリュームパンEQコンプレッサーですが、本番のミックスで細かく各トラックの音は作り込んでいくので、ラフミックスの時点では、エフェクターなどは大まかに設定します。

ラフミックス作業は、音楽用のスタジオモニターであれば、ヘッドホンでもスピーカーでも、どちらで行っても問題はありません。

本番ミックス

基本的に、ラフミックスはミックスの方向性を決める作業ですので、短い時間でスケッチ感覚で行いますが、本番のミックスはかなりの時間が必要となります。

すべてのトラックをひとつひとつ細かくチェックしながら、ボリュームやパンニングを決め、エフェクト処理をしていきますので、熟練したミックス・エンジニアでも短時間で終わることはありません。

本番のミックスが失敗している場合は、次のマスタリングで時間をかけて作業しても完成度を上げることはできません。ここでベストを尽くすようにしましょう。

本番ミックスでのモニター環境

ラフミックス作業と違い、本番のミックスでは、多くのプロのミックスエンジニアはスタジオモニター・スピーカーを中心に行います。

低音域であったり細かい箇所の確認などでヘッドフォンも使用しますが、あくまでも確認程度となります。

スタジオモニター・ヘッドホンを中心にDAWでミックスを行う方も、以前もおすすめしたように、小さくても良いのでスタジオモニター・スピーカーも用意しておきましょう。

長い時間を掛けてミックスが完了した後は、DAWのバウンス機能を利用して「2ミックスファイル」に書き出します。

マスタリング作業

音圧と質感調整

本番ミックスで書き出した2ミックスファイルを、新たなプロジェクトファイルに読み込んだ後に、マスタリングという作業を行います。

1曲単位でのマスタリングの主な作業は「フェードイン/フェードアウトの設定」と「2ミックスの音圧と質感調整」です。

フェードイン/フェードアウトの設定は難しくはありませんが、2ミックスの音圧と質感調整はイコライザー、コンプレッサー、マキシマイザーや、ステレオイメージャーなどのプラグインエフェクターを使用した、難易度の高い作業となります。

詳しくはマスタリングの項目で解説しますが、リファレンス曲や、画像のIK Multimedia「Full Metering」のようなメータープラグインなどもフル活用しながら、2ミックスの音圧調整と質感調整を行います。

  • AmpliTube、T-RackS、MODO BASE、British Channel、Bus Compressor、Quad Image、Metering、EQualなどを収録したバンドル
IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / Total Studio 2 MAX

マスターファイルの書き出し

音圧と質感調整が終ったら、最後にマスターファイルの書き出しを行います。

作曲、レコーディングの時間も入れると、1曲を完成させるのにかなり長い時間が掛かりますが、マスターファイルの書き出しで音楽制作は終了となります。

注意点として、最近はPCのスペックも向上しましたので、DAWでの作曲、レコーディングの段階から、24bit/48kHzのハイビット/ハイレートで作業している人が多いと思います。

マスターファイルは、動画用やmp3へ変換するのが目的なら、24bit/48kHzのまま書き出して良いですが、CD用の場合は16bit/44.1kHzのフォーマットへと変換して書き出します。

高音質化時代に向けたハイビットでの作業

有償配信での楽曲のフォーマット

Apple iTunesAmzon MusicSpotifyをはじめとする「ストリーミングサービス」や「ダウンロード販売サービス」で、後々は自分の楽曲を有償配信する予定の方もいるのではないでしょうか。

今までは、各オンラインショップで、マスターファイルを元にエンコーディングが行われていたため、CD用の16bit/44.1kHz フォーマットで書き出して納品しても問題はありませんでした。

しかし、Appleが「Mastered for iTunes」から、高音質マスタリングプログラムApple Digital Masters」を導入することを発表し、すでに適応が開始されています。

CDフォーマットの16bit/44.1kHzのマスター音源からエンコードするのが「Mastered for iTunes」でしたが、「Apple Digital Masters」は24bitのマスター音源からエンコードとなります。

ハイビット/ハイレートでの作業を徹底する

今後はAppleだけではなく、他社でも音楽ストリーミングサービスの高音質化が進んでゆくことが予想されます。

そのため、今まで作曲やミックスで、16bit/44.1kHzで作業していた方も、24bit/48kHzのハイビット/ハイレートでの作業を徹底していった方が良いでしょう。

楽曲の配信審査

尚、商品として楽曲配信がされますので、当然ですが、各ショップで楽曲の配信審査が行われます。

マスタリングを含めて、配信サイトの基準クオリティーに到達していない場合は楽曲を配信することはできませんので、注意してください。

まとめ

今も昔も、DAWを使用したミックスマスタリングの流れや作業方法に違いはありませんが、CDで音楽を聴く時代は、遅かれ早かれ完全に終了することが予想されます。

音楽配信サービスの代名詞的な存在であるAppleの「Apple Digital Masters」を皮切りに、制作者だけでなく、リスナーもハイビットの音楽を聴く時代がやって来ました。

次回から、実際に「CUBASE Pro 10」を使用した作業の解説へと入っていきます。

STEINBERG ( スタインバーグ ) / Cubase Pro 11
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