【ミックス&マスタリング入門】第13回 スネアドラムとハイハットのミックス

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連載【ミックス&マスタリング入門】第12回目は、ボーカルキックベースのマスキング処理について解説しました。

今回は、スネアドラムとハイハットのミックスと、ボーカルのリバーブについて解説をします。センターに配置されるスネアドラムとハイハットで、曲のグルーブ感を作っていきます。

目次

スネアドラムの音作りとマスキング処理

スネアドラムの音作り

スネアドラムの音作りでも、今までと同様にIK Multimediaのチャンネル・ストリップ「British Channel」を使用します。

  • AmpliTube、T-RackS、MODO BASE、British Channel、Bus Compressor、Quad Image、Metering、EQualなどを収録したバンドル
IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / Total Studio 2 MAX

SD1(スネアドラム1)とSD2(スネアドラム2)がありますが、SD2はゴーストノートですので、どちらも「British Channel」の設定は同じです。

ドラム音源にはSteinberg「Groove Agent」を使用していますが、生ドラムと違い、MIDI音源はミックス前の段階で音色をかなり作り込むことができますので、事前に作り込んでいます。

そのため今回、スネアドラムは積極的な音作りというよりも、ハイハットの音も出しながらグルーブ感を意識して、ボーカル、キック、ベースとのバランスを考えながらミックスしています。

EQコンプでキックの音を作りましたが、まずEQはLow +2.0dB、Hi +3.0dBで設定しました。

コンプはRatio 4:1 にして、ゲインリダクション -1dB でフィルインのときに -2dB ~ -3dBになるようにスレッショルドを調整しています。

なお、SD2はゴーストノートで音が小さいので、コンプは掛かってはいない状態です。

スネアドラムのマスキング処理

チャンネル・ストリップでの音作りが終わったら、今までと同様に、スネアドラムのチャンネルにFabFilter「Pro-Q3」をインサートします。

FabFilter ( ファブフィルター ) / Pro-Q3

ベース&キックとスネアドラムを「Pro-Q3」で確認すると170Hz前後が被っていたので、スネアドラムをカットしました。

次にボーカルと比較して、450Hzと1.2kH付近に気になる被りがあったので、こちらもスネアドラムをカットしました。

チャンネルストリップではSD1とSD2は同じ設定でしたが、マスキング処理はSD2にも「Pro-Q3」をインサートして個別に行いました。

金物系の音作りとEQ処理

ハイハットとシンバルの音作り

ドラムの金物系はハイハットシンバルですが、今回の曲では「HH」「HH OPEN」「CYM L」「CYM R」の4つトラックがあります。

この4つのトラックにも、今までと同様に「British Channel」をインサートします。

ミックスの前の打ち込みの段階でグルーブ感を意識したプログラミングをしているので、コンプでの積極的な圧縮はしませんでした。

それではなぜ立ち上げたのかというと、「British Channel」を通すだけでも音が違うため、他のドラムパートとの統一感を持たせるためです。

ハイハットとシンバルのEQ処理

DTM DAW ミックス マスタリング FabFilter Pro-Q3 ハイハット シンバル

金物系の周波数帯域を確認すると、上記画像のように、ベースと周波数帯域が被る150Hz~200Hz付近以下の低域はほとんど含まれていないため、ハイパスフィルター(ローカットフィルター)を使用して、下画像のようにカットしました。

DTM DAW ミックス マスタリング FabFilter Pro-Q3 ハイハット シンバル ハイパスフィルター ローカットフィルター

また、ハイハットは6kHz~9kHz付近に高域のポイントがありますが、少し音がキラキラしすぎていて、マスタリング時に音圧を上げると間違いなく「キラキラではなくキンキン」になります。

そこで、ボーカルの帯域とも少し被っていたこともあり、ハイハットとシンバルの8kHz付近をカットしました。

現在、ドラム音源のクオリティーは非常に高いレベルまで来ましたが、ハイハットの音ひとつを見ても音は全然違いますし、EQ処理のポイントも変わってきます。

ボーカルのエフェクト処理~リバーブ編

コンボリューション・リバーブ「REVerence」

スネアドラムとハイハットのミックスとの同時作業でも良いですが、この段階で、ボーカルのミックスで最も使用されるリバーブを使用します。

他のパートをミックスしながら、ボーカルのエフェクト量やEQも同時に微調整していくこととなります。

「CUBASE Pro」にはリバーブ・プラグインが数種類付属しています。今回、自然な残響音を再現することのできるコンボリューション・リバーブ「REVerence」をボーカル用のリバーブとして使用しました。

ディレイと同様に、FXチャンネルの「VO REV」にリバーブ・プラグインを立ち上げて、リバーブ調整と同時にディレイ「Stereo Delay」も微調整して、リバーブ+ディレイのボーカルサウンドを作っていきます。

DTM DAW ミックス マスタリング  CUBASE Pro REVerence リバーブ

プリセットを利用して微調整

ディレイと同様に、プリセットを利用して調整していくやり方が初心者の方にはおすすめです。

「REVerence」のプリセットの「Spring British Lead Vocal」を選択して調整しました。

高品質のリバーブは、ディレイよりもパラメーターが多く設定が難しいので、初心者の方は一通りのミックス作業を覚えるまでは、あまりパラメーターはいじらないほうが良いかと思います。

不要な帯域をカット

「REVerence」のパラメーターMIXのWETを100%に設定して、エフェクト量をボーカルトラックの「SENDS スライダー」で調整しますが、音がこもってしまっていたりと、思った感じの音にならない場合があります。

その場合は、「REVerence」のEQUALIZERで不要な低音帯域をカットする方法があります。

今回は効きの良いEQを、FXチャンネル「VO REV」の「REVerence」の下のスロットに立ち上げました。音声信号の流れはREVerence→EQとなります。

このようにして、EQでこもりの原因となっている不要な帯域を、しっかりとカットしました。

まとめ

今回は、ドラムパートのスネアドラムと金物系のミックスと、ボーカルのリバーブについて解説しました。ドラム、ベース、ボーカルのミックスは重要ですので、しっかりとマスターしましょう。

次回は、ドラムパート最後のタムのミックスと、ドラムセットにトータルに掛けるコンプなどについて解説します。

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