【ミックス&マスタリング入門】第18回 マスタリングに使うプラグイン

連載【ミックス&マスタリング入門】第17回目は、マスタリングの目的とマスタリング作業の準備について解説しました。

今回は、マスタリングに使う重要なプラグインの解説をします。

DAW標準付属のプラグインでもマスタリングをすることはできますが、将来プロでの活動を考えているような、高い作品クオリティーを求めている方は、初心者でもサードパーティー製のプラグインを検討しましょう。

マスタリング時に必須のリミッター

リミッター/マキシマイザー

マスタリング時の最重要プラグインが、クリップを回避しながら音圧や音量を上げることのできるリミッター(マキシマイザー)です。

各メーカーから数多くのマスタリングリミッターが発売されており、「音割れすることなく音圧をどこまで上げることができるか」がマスタリングリミッターのポイントとなります。

DTM DAW ミックス マスタリング リミッター マキシマイザー FabFilter Pro-L2

FabFilterのリミッター「Pro-L2」は非常に高性能で、音質の変化をあまり感じさせずに、かなりの音圧を出すことができます。

他に、現在でもよく使用される有名マスタリングプラグインには、WAVES L3、iZotope Ozone 9、IK Multimedia T-Racks 5などがあり、DAWのみで完結させるマスタリング作業だと、価格も高額ではないためプロもアマも関係なく使用しています。

かつての定番WAVES L3について

かつての大定番だったWAVES L3は、音圧上げの性能の部分では他社のリミッターに越えられてしまいましたが、WAVES L3を通した音が好きという人も多く存在しているため、使用している人は今でも多いです。

マスタリング時のイコライザー

イコライザーで補正

マスタリングリミッターを使用すると、2ミックスにかなりの音圧を出すことができますが、リミッターを掛けたことにより低域が出すぎてしまっていたり、高域がうるさく聴こえてしまうことが多々あります。

これはミックスの問題ではなく、音圧を上げると間違いなく出てくる問題ですので、ミックス作業に戻るのではなく、イコライザー(EQ)で補正します。

補正にはアナログ機器の名機をシミュレートしたプラグインではなく、クリアな音質のマスタリング用途に向いたイコライザー(以下、マスタリングEQ)を使用します。

補足として、マスタリングEQで大きく補正しなくてはならない場合は、ミックスの失敗です。ミックス作業に戻って、気になった部分のミックスをやり直したほうが良いでしょう。

FabFilter Pro-Q3はマスタリングでも使える

ミックスの解説に使用した万能EQの「FabFilter Pro-Q3」は、マスタリング用のモード(リニアフェーズモード)が搭載されていますので、マスタリングEQとしても使用することができます。

リミッターとマスタリングEQだけの話をすれば、先に紹介したリミッター「Pro-L2」「Pro-Q3」で、かなりハイレベルなマスタリングは可能となります。

CUBASE Proで使うマスタリング用プラグイン

DAWソフト最上位版にはマスタリング・プラグインが標準付属

現在のDAWソフトは作曲・編曲だけでなく、ミックスやマスタリングまでをソフトだけで完結することができるのがセールスポイントとなっています。

そのため、シェアを持っている有名なDAWソフトの最上位版には、最低限のマスタリングを行うことのできるプラグインが標準で付属しています。

もちろん国内シェアトップと言われている「CUBASE Pro」にも、マスタリング作業を目的としたプラグインが付属しています。

CUBASEのマスタリング・プラグイン

CUBASE Proの付属プラグインだけでマスタリング行う場合は、イコライザーには「Frequency EQ」、リミッターには「Brickwall Limiter」「Maximizer」を使用すると良いでしょう。

各プラグインには、マスタリングに向いているプリセットも用意されています。

DTM DAW ミックス マスタリング CUBASE Pro Frequency EQ

しかし、マスタリング用のプラグインのクオリティーが、そのまま作品クオリティーに直結するため、CUBASEに付属しているプラグインだけの話をすると、最上位版の「CUBASE Pro」でも、高品位なマスタリングは厳しいです。

オーディオインターフェイスなどのハードウェア製品に無償バンドルしている「CUBASE AI」だと、「Brickwall Limiter」「Maximizer」も付属していませんので、音を歪ませることなく現在市販されている音楽のような音圧を出すのは無理です。

DTM DAW ミックス マスタリング CUBASE Pro Maximizer

サードパーティー製のプラグインがおすすめ

マスタリングに慣れるまではDAW付属のプラグインのみで大丈夫ですが、慣れてくると、市販されている音楽と自分の音楽の迫力などを比較すると必ず「物足りなさ」が出てきます。

性能は悪くありませんが、あくまでもDAW標準付属のプラグインは「付属品」であるため、マスタリングに特化したサードパーティー製のプラグインに勝つことは難しいです。

マスタリングだけではなくミックスでもそうですが、作品に高いクオリティーを求めている方は、高品位なプラグインがないと無駄な作業時間を過ごすことになります。

もし、所有しているプラグインが弱い方は、現在はそれほど高額というわけではありませんので、サードパーティー製のマスタリング用のプラグインを導入した方が良いということは断言できます。

まとめ

物足りなさを感じるようになったということは、確実にマスタリング技術が向上してきている証拠でもありますので、迷わずサードパーティー製のマスタリング・プラグインの導入をしましょう。

一度、サードパーティー製のマスタリング・プラグインを使用すると、DAW標準付属のプラグインを立ち上げることはなくなります。

次回は、今回紹介したマスタリングリミッター、マスタリングEQや、その他のプラグインも使用して、実際に2ミックスの音圧上げと質感調整をしていきます。プラグインの順序が重要になってくるため、その点についても解説します。