現在進化系レゲエ!ダンスホールレゲエ

ジャマイカのサウンドシステム文化の中で生まれたレゲエ音楽のひとつである、ダンスホールレゲエをご存知ですか?

その歴史や特徴、おすすめのアーティストをご紹介します。

ダンスホールレゲエとは?

レゲエと言えば『Bob Marley』。スローテンポな曲調で心も体もリラックスできる歌を思い浮かべる人が多いと思います。これらは一般的に、ルーツロックレゲエと呼ばれています。

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実はレゲエにはもうひとつ、ダンスホールレゲエというジャンルが存在することをご存知でしょうか。

ダンスホールレゲエは、1970年代の終わりにジャマイカで生まれました。すでに世界中でブームとなっていたルーツロックレゲエをメインに、HIPHOPダンスミュージックの要素を加えたものです。

90年代にはジャマイカ国内で人気と知名度を上げ、2000年代に突入すると日本のクラブカルチャーの間でも大流行します。現在では、アメリカのトップ歌手たちからも注目される音楽に成長しました。

ダンスホールレゲエの特徴

生バンドがメインのルーツロックレゲエに対し、ダンスホールレゲエはデジタルサウンドが特徴的です。また、テンポも圧倒的に速く、ダンス音楽の要素も持ち合わせています。

ダンスホールレゲエを歌うアーティストをDJ、音楽を選び流す人たちのことをサウンド、そして音楽を流すためのスピーカー類をサウンドシステムと呼ぶなど、独自の文化も発展しています。

歌詞にはストリートの影響を大きく受け、暴力的な表現や異性の魅力を語るなど、若者の興味を引くような内容が書かれています。

また、ダンスホールレゲエをさらに盛り上げているのがダンサーです。以前は女性のセクシーな踊りに視線が集まっていましたが、現在では男性のダンスグループも多く、彼らのレッスンを本場で受けるため、世界中からダンサーたちが訪れています。

ダンスホールは、貧困問題で苦しむジャマイカの人たちにとっての娯楽に、そしてダンス1本でお金を稼ぐダンサーたちは、子どもたちの希望となっています。

ダンスホールレゲエおすすめアーティスト

Buju Banton

現ジャマイカで生きる伝説の1人でもあるBuju Banton(ブジュ・バントン)ラスタファリズムの影響を受けたダンスホールレゲエアーティストです。

首都キングストンのスラム街で生まれ、ダンスホールレゲエ文化に触れながら育ち、12歳の頃にマイクを握り始めます。

1980年代にキャリアを積み重ね、1990年代には数々の大ヒットを生み出し、時代を引っ張るダンスホールレゲエアーティストになります。

歌の上手さと力強さにハスキーボイス、歌詞には自分やジャマイカ民衆の想いを乗せ、世代を超えて多くのファンを魅了しています。

しかしアーティストとして安泰していた2009年、薬物関連の罪でアメリカにて逮捕され、懲役8年の実刑を受けます。

その後2018年12月に無事刑期を終え、釈放後初となる地元キングストンでのコンサートでは、後世にも語り継がれる素晴らしいパフォーマンスを披露しました。代表曲には『BOGLE』『Driver A』があります。


Bogle

Driver A

Vybz Kartel

若者から圧倒的な支持を得るVybz Kartel(ヴァイブズ・カーテル)

キングストンの隣町ポートモアで育ち、10歳の頃にはマイクを握り始め、Vybz Kartelというグループを結成。

その後グループは解散するも、1人でVybz Kartelの名を継ぎ、地道にキャリアを積み上げています。

2000年代に入ると、その他アーティスト対して次々と喧嘩を売り始め、話題性も合わさりトップアーティストの仲間入りを果たします。

そして同世代のアーティスト『Mavado』と対立し始めたことで、人気と注目に拍車をかけます。

若者の心を掴むキャッチーな歌詞や、表現の豊かさ、ユーモアさなど、他の誰にも真似できない天才的な才能を、音楽を通して発揮し、時にはジャマイカの流行を左右してしまうほどの力を持っています。

しかし2011年に殺人罪で逮捕されたのちに終身刑が確定し、現在は獄中生活を送っています。

刑務所にいても積極的に音楽活動を続け、今なおその人気を継続させ、多くの若者が釈放を望んでいます。

代表曲には『Dancehall Hero』『Summer time』があります。


Dancehall Hero [Explicit]

Summer Time

まとめ

ダンスホールレゲエについて、その歴史やアーティストについてご紹介しました。

一見暴力的で、犯罪との繋がりが強い音楽の印象を受けますが、世界中で注目される音楽になったことで、現在ではよりグローバルな考え方や、子どもたちの手本となるように心がけて活動するアーティストも増えてきています。

日本では、クラブシーンを中心に多くのダンスホールレゲエファンが存在しますし、毎年たくさんの日本人が、本場を知るためにジャマイカを訪れています。

ぜひ一度、ダンスホールレゲエの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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