【簡単ヴォーカルレッスン】10.「表現力」で人を感動させ、一流のヴォーカリストになろう

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表現力 トレーニング ボーカル ヴォーカル 歌がうまくなる 簡単 入門 基礎 練習法 自宅 独学

これまで、いろいろな理論をもとに、「音程」「声量」「音色」「リズム感」の説明をして、そのテクニックを身につけてきました。

 

これらのテクニックの集大成として、今回は「表現力」を身につけます。表現力とは、自分の持っているパフォーマンス能力です。自分の持っている全てを表現して、聴いている人を感動させなくてはいけません。今まで身につけたテクニックも全て人を感動させるためにあります。言葉の観点、ボディランゲージの観点、最後に楽譜の観点から考えていきます。

目次

言葉に抑揚(イントネーション)をつけて表現する練習

歌というのは、本来は言葉にメロディをつけたものです。最近はメロディに言葉を当てはめて詩を作ることが多いので、相手に響く歌が減ってきているようにも思います。俳優さんがセリフを練習するように、言葉に抑揚や間をつけて話すことは、表現力を身につける上でとても大切なことです。

同じ言葉を使って喜怒哀楽を表現することは可能です。音楽の世界、特に歌の場合はこの喜怒哀楽を言葉で表現する練習が必要になってきます。言葉の抑揚を使って喜怒哀楽を表現する練習をして、歌に繋げていきましょう。

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こういった言葉の抑揚というのは、メロディと詩の関係と同じです。メロディに詩を当てはめるという曲作りだけでなく、ぜひこういった言葉の抑揚からメロディを作ることもしてみて下さい。

それでは、少し長い文を読む練習をしてみましょう。

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今までこのように意識して言葉を話すことはあまりなかったかもしれませんが、相手に伝わるようにするためには、イントネーションや話すスピードなどが大事になってきます。相手に伝わる歌を歌うために、こういったイントネーションや言葉のリズムを意識するようにして下さい。メロディにただ言葉を当てはめる作業的な歌では、相手に感動を届けることは難しいでしょう。

ちなみに、英語は独特のリズムを持っており、日本語と全く違うイントネーションです。アクセントの付け方や、リズムの取り方が違います。また、これは歌詞を作る際の参考にしてほしいのですが、同じ音符でも日本語と英語では、入る言葉の数が違います。

有名なディズニーの曲の「ホール・ニュー・ワールド」の出だしを例に説明すると、日本語版では「みーせてーあげーよう」というひとフレーズの言葉に対して本来の英語では、「I can show you the world」というように、表現できる幅が全然違います。可能であれば英語の歌にもどんどん挑戦してほしいと思います。

先述の通り、海外の歌は日本とはリズムの取り方が違ったり言葉の入れ方が違うので歌いにくいですが、マスターすると新たなスキルを得られます。日本語を大切にするためにも、英語に取り組むことをおすすめします。

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Let’s Try!

自分が好きな曲の歌詞を、正しい抑揚をつけて朗読する
海外のアーティストの曲に挑戦する

歌詞を読んでから歌うというのは、表現をするためにとても大切な過程となります。詞の抑揚とメロディが一致しているアーティストを見つけた時は、「おおっ」と驚きがあると思います。こだわりをもってメロディと歌詞をリンクされている方もたくさんいます。言葉が相手に伝わるように、何度も読む練習をして表現力を身につけて下さい。

ボディランゲージで表現する練習

続いては、逆に言葉を使わず、表情や身体の動きで表現をする練習です。ボディランゲージという言葉を知っているでしょうか。表情やしぐさで、相手に思っていることを伝える手段のことです。日本人はこのボディランゲージが苦手だと言われています。日本は言葉だけで伝える文化なので、あまり表情やしぐさで感情を表したりしないですよね。しかしながら、この表現力を私たちは学ぶ必要があると思います。ボディランゲージを身につけ、表現力の幅を増やしていきましょう。

ますは表情筋を動かす練習です。なるべく大きな口で「アイウエオ」と動かしましょう。

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次に目のトレーニングです。「ビジョントレーニング」は様々な研究がされている重要な分野です。ここでは基本となる目を動かすトレーニングをしてみましょう。

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他には、以前に紹介した舌を動かすことも、表情筋のトレーニングになります。

ひと通り表情筋を動かしたら、次は表情と体全体を使って感情を表す練習です。以前、モノマネの話をしたと思いますが、これも同じで、とても大切な練習です。いろいろなモデルの写真を提示しますので、表情やしぐさを真似してみて下さい。どんな感情か、どんな場面なのかも想像してみるのも良いでしょう。

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こうして見ると、ボディランゲージだけで多くのことを表現ができると思いませんか。海外では特に、言葉とともに、このようなボディランゲージで感情を表現しています。これは音楽や芸術などの分野にも影響していると言われています。例えば絵画でも、海外のものは色を大胆に使い、色彩豊かなものが非常に多いです。日本は墨で書いたものや、薄い色を使って書かれている作品が多数あります。芸術の世界ではどちらが優れているというわけではありませんが、音楽の分野では表現力が乏しいのは圧倒的に不利になります。

世界観の表し方も、よりスケールの大きなものが海外は多いですね。まずは真似をすることから始めてみましょう。表情筋を鍛える練習は、歌声アップにも繋がります。自分の感情を歌にのせて表現できるようになりましょう。

Let’s Try!

自分が好きなヴォーカリストの表情を研究してみよう
自分で歌っている表情を録画して見直してみよう

やはりこれも、真似から入ることは大切です。いろいろなアーティストのパフォーマンスを見ることはとても勉強になります。歌い方はもちろん、見た目や演出なども非常に面白いものがあります。自分の中の引き出しを増やすことは必要です。あまり知らないジャンルにも挑戦して、いろんなことを吸収していきましょう。

楽譜を使って表現する練習

歌う時にメロディがどんな意図で作られているのか知ってほしいので、詳しく説明します。また、作曲をされている方には、表現方法のひとつとして参考にしていただければと思います。第1章で述べたように、メロディは言葉と同じで、大事な部分を強調すると、自分が伝えたいことが表現できます。それを楽譜でどう表すかです。

例えばこういう曲があったとします。

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「もう一度言うよ、ありがとう」

これを第1章で説明したように、抑揚を考え楽譜を使って表現してみましょう。

①スピードを変化させて表現する

「ありがとう」の言葉を強調したい場合に、ゆっくり発音するという表現方法があります。これを音符で表すとこのようになります。

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まさに言葉で話すように、音符の種類を変えることで速さの違いを表現することができます。また、「ありがとう」の出だしの音を拍の頭に持ってくることで、言葉をはっきり言っているのが伝わってきます。

②音の高さを変えて表現する

次は、音の高さを変えて強調する方法です。これは単純ですが非常に効果があります。ただし歌として表現する時は音が高めになるので、そのためにも広い音域が歌えるスキルを取得しておくことが必要です。音の高さを変えるのは、曲全体を構成する時の参考になります。

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よくあるのが、Aメロ、Bメロは音の高さを一定に保っておいて、サビで一気に上げる作曲方法です。こうするとサビでテンションが上がって盛り上がります。

③間を利用して表現する

音を変化させることだけが表現方法ではありません。間を利用することで空白を作り、次に出てくる音を強調させることができます。

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メロディが休符の時に、ドラムやギターなどでリズムを刻むのも良い方法です。以前リズム感について練習したことがあると思いますが、音が出ていない休符の場面をどう感じるかも、ヴォーカリストにとっては大事なスキルです。

④音を繰り返したり、付け加えて表現する

メロディを繰り返すことで、終わりに向かっての期待感を高めることができます。さらに、音を増やすことでより目立たせることができます。

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最近のポップスはこの手の曲が多いですね。実際はもっとハモらせる音も多く複雑になってきています。メロディ一本の状態からグッと和音を増やすと、聴いている側はその瞬間に引き込まれますね。シンプルな作りですが、かなり効果があります。

⑤メロディが向かう音の高さを変えて表現する

第1章で説明したように、同じ言葉でも抑揚を変えることで違う感情表現を作ることができます。音符も同じように、音の高さを変えることで感情の変化を表せます。例えば、少し切ない気持ちを表現したい場合は、

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このように「ありがとう」の語尾を下げることで、今までの楽譜のように爽やかな感じではなく、落ち着きを表すことができます。こうすることで切なさが生まれます。言葉を意識せず、機械的に音を入れていくと、

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このように抑揚のない表現になります。これではあまり気持ちがこもっていないように感じられますね。これでは感情を表現するという意味では物足りないでしょう。

Let’s Try!

自分が好きな曲のメロディが歌詞とリンクしているか調べてみよう

言葉が自然に入ってくる曲は、メロディが歌詞とリンクしています。これが理想的なメロディの形ではないでしょうか。もちろん言語は歌だけではなく、オーケストラなどの楽器とも深い関わりがあります。演奏をしっかり聴いていると、まるで会話をしているように聴こえてきますよ。

終わりに

これまでに、歌の上手い魅力的なヴォーカリストの基準である①「音程」が合っている、②「リズム感(グルーブ感)」がある、③「音色」がきれい、④「声量」がある、⑤「表現力」がある、という5項目について説明をしてきました。これらのスキルは全て、人を感動させるためにあります。身につけたテクニックをたっぷり使って、歌に全てを注いで下さい。

ここまで、「歌が上手くなるための基礎知識と練習法」として、全10回に渡り解説してきました。お読みいただいておわかりの通り、内容自体は簡単なものばかりです。トレーニング方法や楽譜を多く紹介しておりますので、ぜひ実際に声を出して取り組んでみてください。続けることで、あなたの歌声がどんどん魅力的になるのを感じることができるはずです。

全10回を読み終えたあなたは、すでに立派なヴォーカリストです! ですから、もっともっとその歌声の魅力を高めましょう。一流のヴォーカリストは日々進化します。現在活躍されているヴォーカリストの方で、20年、30年と続けられている方は、どんどん新しい音楽を我々に届けてくれます。年齢に関係なく、いつまでも魅力的なヴォーカリストを目指して下さい。

どこかで皆さんの歌が聴けるのを楽しみにしています!

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